法人税(全69問中66問目)

No.66

内国法人が支出する交際費等(租税特別措置法の「交際費等の損金不算入」に規定するものをいう)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、当該法人は2023年4月1日から2024年3月31日までの間に事業を開始する1年決算法人であり、設立事業年度等ではないものとする。また、資本金の額が5億円以上の法人等による完全支配関係はないものとする。
2014年9月試験 問31
  1. 期末の資本金の額が1億円以下である法人が支出した交際費等の額が年間700万円の場合、その全額を損金算入することができる。
  2. 期末の資本金の額が1億円を超える法人が支出した交際費等のうち、接待飲食費以外のために支出した額は、金額の多寡にかかわらず、その全額が損金不算入となる。
  3. 期末の資本金の額が1億円を超える法人が支出した交際費等のうち、接待飲食費のために支出した額が1,000万円の場合、損金の額に算入できる交際費等の額は500万円である。
  4. 期末の資本金の額が1億円を超える法人が支出した交際費等のうち、接待飲食費のために支出した額が2,000万円の場合、損金の額に算入できる交際費等の額は800万円が上限となる。

正解 4

問題難易度
肢17.0%
肢220.1%
肢311.7%
肢461.2%

解説

交際費等の損金算入限度額については、中小法人と大規模法人で異なります。
資本金等の額が1億円以下である法人(資本金等の額が5億円以上の法人の100%子会社を除く)
接待飲食費の50%または800万円
期末資本金等が1億円を超える法人
接待飲食費の50
期末資本金等が100億円を超える法人
0円(全額が損金不算入)
  1. 適切。資本金が1億円以下である法人は、接待飲食費の50%と800万円の多いほうが損金算入限度額となります。700万円≦800万円なので交際費等の額の全額を損金に算入することができます。
  2. 適切。資本金が1億円を超える法人は、接待飲食費の50%が損金算入限度額となります。交際費のうち接待飲食費以外のために支出した額は、全額が損金不算入です。
  3. 適切。資本金が1億円を超える法人は、接待飲食費の50%が損金算入限度額となります。接待飲食費が1,000万円なので、損金算入限度額は「1,000万円×50%=500万円」です。
  4. [不適切]。資本金が1億円を超える法人は、接待飲食費の50%が損金算入限度額となります。接待飲食費が1,000万円なので、損金算入限度額は「2,000万円×50%=1,000万円」です。
したがって不適切な記述は[4]です。