不動産の取引(全44問中10問目)

No.10

借地借家法の定期借地権および定期建物賃貸借に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2022年5月試験 問36
  1. 借主側から、2013年に設定した存続期間15年の事業用借地権の存続期間を5年延長したいとの申出があった場合、貸主と借主の双方の合意があれば、存続期間を延長することができる。
  2. 存続期間を30年以上とする建物譲渡特約付借地権は、居住の用に供する建物の所有を目的として設定することはできない。
  3. 定期建物賃貸借契約は、契約の更新がなく、期間の満了により建物の賃貸借は終了するが、賃貸借について当事者間で合意すれば、定期建物賃貸借契約を再契約することができる。
  4. 自己の居住の用に供するために賃借している建物(床面積200㎡未満)の定期建物賃貸借契約において、転勤により建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、賃借人は、解約の申入れの日から1カ月後に当該賃貸借を終了させることができる。

正解 2

問題難易度
肢114.4%
肢254.0%
肢311.8%
肢419.8%

解説

  1. 適切。借地借家法で定められた事業用借地権の存続期間は10年以上30年未満です。当初設定した存続期間が15年で5年延長しても存続期間は30年未満のため、貸主と借主の双方の合意があれば、存続期間を延長することができます。
  2. [不適切]。建物譲渡特約付借地権では建物の用途に制限はないため、居住の用に供する建物の所有を目的として設定することもできます。
  3. 適切。定期建物賃貸借契約は、期間が満了になると契約が更新されることなく終了する借家権ですが、当事者間で合意すれば定期建物賃貸借契約を再契約することができます。
  4. 適切。定期建物賃貸借契約は、特約がない限り中途解約することはできませんが、転勤や療養などにより、賃借している建物(床面積200㎡未満に限る)を自己の生活の本拠として使用することが困難となった場合は、特約がなくとも賃借人は解約の申入れの日から1カ月後に賃貸借を終了させることができます。
したがって不適切な記述は[2]です。