不動産の取引(全44問中21問目)
No.21
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。2019年9月試験 問36
- 買主が売主である宅地建物取引業者の契約不適合を担保すべき責任を追及するためには、当該不適合が売主の責めに帰すべき事由により生じたものであることを立証し、かつ、当該不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければならない。
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、宅地建物取引業者が目的物の契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間を目的物の引渡しの日から2年間とする旨の特約は有効である。
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、宅地建物取引業者は、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することはできない。
- 媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、媒介契約が専任媒介契約である場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約である場合は1週間に1回以上、当該媒介契約に係る業務の処理状況を報告しなければならない。
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正解 1
問題難易度
肢175.8%
肢214.7%
肢34.0%
肢45.5%
肢214.7%
肢34.0%
肢45.5%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- [不適切]。契約不適合を担保する責任は原則として無過失責任なので、売主の帰責事由がなくても責任を追及できます。契約に特段の定めがなければ、不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば、売主の担保責任を追及できます(民法566条)。
- 適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる取引では、契約不適合を担保すべき責任に関し、買主がその不適合を売主に通知すべき期間を引渡しから2年以上とする場合を除き、担保責任について民法の規定よりも買主に不利な特約をしてはいけません。本肢は「引渡しの日から2年間」としているので有効です(宅建業法40条)。
民法の規定上は買主が不適合を知ったときから1年以内に通知ですが、これだと請求を受ける可能性のある期間が相当に長くなり宅地建物取引業者にとって酷です。一方、特約による担保責任の排除を認めてしまうと、宅地建物取引業者と個人の力関係の差から買主保護の点で不適切です。宅建業法ではこの点を踏まえて、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合には引渡しの日から2年以上とする場合に限り担保責任を負う期間を制限することを許しています。 - 適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる取引では、買主から売買代金の2割を超える手付を受領することは禁止されています。2割を超えた約定があった場合、2割を超えた分が無効となります(宅建業法39条)。
- 適切。依頼者への報告義務は、専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上と定められています(宅建業法34条の2第9項)。
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