不動産の取引(全44問中24問目)

No.24

宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
2019年1月試験 問35
  1. 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、買主の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定めた場合に、その合算額が売買代金の額の2割を超えるときは、当該売買契約自体が無効となる。
  2. 宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買の媒介をするに際して、買主および売主の双方に対して、その売買契約が成立するまでの間に、売買の目的物に係る重要事項説明書を交付し、宅地建物取引士にその内容を説明させなければならない。
  3. 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して手付金を受領したときは、その手付金がいかなる性質のものであっても、買主が契約の履行に着手するまでは、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。
  4. 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約を締結した場合、あらかじめ買主の承諾を得ていても、売買代金の額や支払方法などの契約内容について、書面の交付に代えて、電子メールなどの電磁的方法による交付は認められていない。

正解 3

問題難易度
肢17.1%
肢214.0%
肢367.9%
肢411.0%

解説

  1. 不適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる取引では、債務不履行を理由とする損害賠償額の予定または違約金の設定する場合は、これらの合算額が売買代金の2割を超えてはいけません。2割を超えるときであっても全体として無効にはならず、2割を超えた部分のみ無効となります(宅建業法38条)。
  2. 不適切。重要事項説明書の交付及び説明は、買主や借主だけにすれば足ります。一方、契約書面は売主・買主(貸主・借主)双方に交付しなければなりません(宅建業法35条、同法37条)。
  3. [適切]。宅地建物取引業者が自ら売主となる取引で手付を受領した時は、どのような名目で受領したとしても解約手付の性質を有します。よって、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は買主に対して手付の倍額を現実に提供することで契約解除できます(宅建業法39条)。
    ※手付には、解約手付、証約手付、違約手付の3種類があります。
  4. 不適切。2022年5月18日の宅建業法改正により、相手方の承諾があるときに限り、媒介契約書、重要事項説明書および契約書面等の電子交付が可能となっています。電子交付の方法としては、電子メール、Webページからのダウンロード、USBメモリなどで交付の3種類が認められています。
したがって適切な記述は[3]です。