不動産の賃貸(全4問中4問目)

No.4

借地権(定期借地権を除く)の設定に際して権利金を支払う慣行のある地域において、借地権を設定した場合の税務上の取扱いに関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 親が、その所有する土地を子の自宅の建物の敷地として使用させる場合において、通常の権利金および相当の地代のいずれの収受もしないが、毎年、その土地の固定資産税相当額を地代として収受しているときは、子は親から借地権相当額の贈与を受けたものとされる。
  2. 法人が、その所有する土地をその法人の役員の自宅の建物の敷地として使用させる場合において、通常の権利金および相当の地代のいずれの収受もしないが、その役員との連名により所轄税務署長に対して「土地の無償返還に関する届出書」を提出しているときには、法人に対しては権利金の認定課税は行われない。
  3. 法人の役員が、その所有する土地をその法人の本社の建物の敷地として使用させる場合において、通常の権利金および相当の地代のいずれの収受もなく、かつその役員との連名により所轄税務署長に対して「土地の無償返還に関する届出書」も提出していないときには、役員に対しては権利金の認定課税はないが、法人に対しては借地権相当額の受贈益の認定課税が行われる。
2014年9月試験 問41
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 2

問題難易度
肢134.4%
肢251.1%
肢311.1%
肢43.4%

解説

  1. 不適切。個人間で建物の所有を目的とする土地の使用貸借契約があった場合、借地権慣行のある地域であっても、その土地の使用貸借に係る使用権の価額はゼロとして取り扱われます。本肢では「固定資産税相当額を地代として収受」していますが、租税公課相当額以下であれば使用貸借としてみなされます(使用貸借通達)。したがって権利金の認定課税は行われません。
  2. 適切。少なくとも一方が法人である賃貸借で、次の3つのいずれもないときには権利金の認定課税が行われれることになります。
    1. 権利金を支払う
    2. 相当の地代(地価の6%/年)を支払う
    3. 「土地の無償返還に関する届出書」を提出する
    「土地の無償返還に関する届出書」を提出すれば権利金の認定課税を避けることができます。
  3. 適切。権利金の認定課税が行われる場合、法人側(借地人)では権利金相当額が受贈益となりますが、役員側(地主)への課税はありません。
したがって適切なものは「2つ」です。