FP1級分野別過去問題-不動産-不動産に関する法令上の規制 No.56

不動産に関する法令上の規制（全68問中56問目）

建築基準法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

2016年1月試験　問36

商業地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物については、建ぺい率に関する制限の規定は適用されない。
建築物の敷地が建ぺい率の数値の異なる2つの地域にわたる場合は、各地域の建ぺい率の限度に各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じたものを合計した数値が、当該建築物の建ぺい率の限度となる。
前面道路の幅員が15ｍ未満である建築物の容積率は、都市計画で定められた数値および当該前面道路の幅員に10分の4または10分の6を乗じた数値以下でなければならない。
建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1ｍ以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

問題難易度

肢111.2%
肢27.3%
肢373.0%
肢48.5%

適切。商業地域内の建築物には80％の建蔽率が適用されます（建築基準法53条1項4号）。建蔽率が80％である防火地域内に耐火建築物等を建築する場合は、建蔽率の制限がありません（建築基準法53条6項1号）。
適切。建築物の敷地が建蔽率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、その建蔽率の限度は、それぞれの地域の建蔽率を各面積割合で加重平均した値になります（建築基準法53条2項）。
[不適切]。前面道路の幅によって容積率の制限を受けるのは、前面道路が12ｍ未満である敷地の建築物です。本肢は「15ｍ未満」としているので誤りです（建築基準法52条2項）。
前面道路が12ｍ未満の敷地の建築物は次のいずれか低い方が容積率となります。
- 都市計画の指定容積率
- 前面道路の幅員×法定乗数
  ※法定乗数は住居系地域4／10、それ以外の地域6／10
適切。天井が地盤面から1ｍ以下にある地階のうち、住宅または老人ホーム等の用途に供する部分は、その部分の床面積の3分の1を限度として、容積率算定上の延べ面積に算入しません（建築基準法52条3項）。

したがって不適切な記述は[3]です。