不動産に関する法令上の規制(全68問中60問目)

No.60

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年10月試験 問38
  1. 区分所有者が管理者を選任または解任するためには、集会の決議によることが必要であり、規約で別段の方法を定めることはできない。
  2. 規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。
  3. 形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。
  4. 区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数によって、区分所有建物を取り壊し、当該建物の敷地に新たに建物を建築する旨の決議(建替え決議)をすることができるが、この区分所有者の定数については規約で減ずることはできない。

正解 1

問題難易度
肢171.3%
肢26.2%
肢311.6%
肢410.9%

解説

  1. [不適切]。管理者の選任または解任は集会の決議によることが原則ですが、規約で別段の定めをすることが認められています(区分所有法25条1項)。
  2. 適切。規約の設定、変更・廃止には、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によらなければなりません。規約の設定、変更または廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その区分所有者の承諾を得なければなりません(区分所有法31条1項)。
  3. 適切。形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うときには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によらなければなりません。ただし、規約で別段の定めをすることによって、区分所有者の定数のみ過半数まで減じることができます(区分所有法17条1項)。
  4. 適切。建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数で決します。この定数は規約で別段の定めをすることができません(区分所有法62条1項)。
したがって不適切な記述は[1]です。