不動産に関する法令上の規制(全68問中67問目)

No.67

建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2014年1月試験 問38
  1. 集会の招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示し、各区分所有者に発しなければならず、この期間は、規約で伸縮することができる。
  2. 区分所有法に規定する「建替え決議」が集会においてなされた場合、建替え決議に賛成した各区分所有者等は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
  3. 共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決することが必要であるが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減じることができる。
  4. 建物の一部が滅失し、滅失部分が建物価格の2分の1を超える場合、滅失した共用部分の復旧を行うためには、「建替え決議」と同様に、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による決議が必要である。

正解 4

問題難易度
肢123.2%
肢216.8%
肢312.9%
肢447.1%

解説

  1. 適切。集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければなりません。この期間は規約で伸縮することができます(区分所有法35条1項)。
  2. 適切。建替え決議がなされた場合、賛成しなかった者に対して建替えに参加するかどうかを回答するように催告が行われます。催告に対し、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対しては、その有する区分所有権等を売り渡すよう請求できます。これを「区分所有権等の売渡し請求」といいます(区分所有法63条4項)。
  3. 適切。本肢は「その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く」としているので、著しい変更を伴う共用部分の変更について問われています。形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うときには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によらなければなりません。ただし、規約で別段の定めをすることによって、区分所有者の定数のみ過半数まで減じることができます(区分所有法17条1項)。
  4. [不適切]。建物の滅失部分が2分の1を超える場合には、集会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができます(区分所有法61条5項)。建替え決議のように各5分の4ではありません。
したがって不適切な記述は[4]です。