相続財産の評価(不動産以外)(全20問中13問目)

No.13

相続税における取引相場のない株式の評価方法である類似業種比準方式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2019年5月試験 問47
  1. 類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3カ月間の各月の類似業種の株価、類似業種の前年平均株価、課税時期の属する月以前2年間の類似業種の平均株価のうち、最も低いものとすることができる。
  2. 比準要素である1株当たりの配当金額の計算上、特別配当、記念配当等の名称による配当金額のうち、将来毎期継続することが予想できない金額は、評価会社の剰余金の配当金額から除かれる。
  3. 比準要素である1株当たりの利益金額の計算上、固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額は、評価会社の法人税の課税所得金額から除かれる。
  4. 比準要素である1株当たりの純資産価額の計算上、評価会社の資本金等の額および利益積立金額に相当する金額の合計額は、直前期末の金額と直前々期末の金額の合計額に2分の1を乗じて算出される。

正解 4

問題難易度
肢114.5%
肢26.0%
肢319.6%
肢459.9%

解説

  1. 適切。類似業種株価は、①課税時期の月、②課税時期の前月、③課税時期の前々月の3月の平均株価のうち最も低いものを使用するのが原則で、納税者の選択により、④課税時期の前年または⑤課税時期の月以前2年間の平均株価を使うこともできます。①~③の最も低い額よりも、④⑤のほうが低ければそれを選択することができるので、①~⑤のうち最も低いものとすることができます。
    類似業種比準価額の計算上、類似業種の株価は、課税時期の属する月以前3カ月間の各月の類似業種の株価および課税時期の属する月以前1年間または2年間の類似業種の平均株価の5つのなかから、納税義務者が選択することができる。2018.9-48-2
  2. 適切。比準要素である1株当たりの年間配当金額は、直前期末以前2年間の評価会社の余剰金の配当金額をもとに計算されますが、この配当金額には、特別配当、記念配当などのように将来毎期継続することが予想できない金額は含めずに算出します。
  3. 適切。比準要素である1株当たりの利益金額は、直前期末以前1年間の評価会社の法人税の課税所得金額をもとに計算されますが、固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額は含めずに算出します。
  4. [不適切]。比準要素である1株当たりの純資産価額は、直前期末の評価会社の資本金等の額および利益積立金額に相当する金額の合計額をもとに算出されます。本肢は「過去2事業年度末の金額の平均」としているので誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。