FP1級過去問題 2016年1月学科試験 問32(改題)

問32

「地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 本制度の適用対象となる法人は、地方活力向上地域特定業務施設整備計画について都道府県知事の認定を受けた青色申告法人とされている。
  2. 本制度の適用対象となる特定建物等とは、中小企業者の場合、認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に記載された特定業務施設に該当する建物およびその附属設備ならびに構築物で、一の建物およびその附属設備ならびに構築物の取得価額の合計額が1,000万円以上のものとされている。
  3. 法人が本制度による特別償却の適用を受ける場合における特別償却限度額は、地方活力向上地域特定業務施設整備計画が移転型計画である場合、特定建物等の取得価額の25%相当額とされている。
  4. 法人が本制度による税額控除の適用を受ける場合における税額控除限度額は、地方活力向上地域特定業務施設整備計画が移転型計画である場合、特定建物等の取得価額の10%相当額(法人税額の20%相当額が上限)とされている。

正解 4

問題難易度
肢19.7%
肢217.8%
肢335.3%
肢437.2%

解説

地方拠点強化税制とは、本社機能を大都市から地方への移転や地方における本社機能の拡充を支援して地域経済の活性化を推進するための特例で、①地方にある企業が本社機能を拡充する場合、②東京23区から地方に本社機能を移転する場合に、建物等の取得価額に対し、所定割合の税額控除または特別償却を受けることができます。
  1. 適切。本制度の適用対象は、移転・拡充先となる都道府県知事に「地方活力向上地域特定業務施設整備計画」を申請して、認定を受けた青色申告法人です。
  2. 適切。本制度の適用対象になる特定建物等は、取得価格の合計2,000万円以上(中小企業者は1,000万円以上)の建物・附属設備・構築物(認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に記載された特定業務施設)です。
  3. 適切。本社機能の移転型と拡充型で特別償却の限度額は異なり、それぞれ建物等の取得価額に対して、移転型は25%、拡充型は15%です。
    本制度の特別償却の適用を受ける場合、特別償却限度額は情報技術事業適応設備の取得価額および事業適応繰延資産の額の合計額(300億円が上限)の50%相当額となる。2022.5-33-3
  4. [不適切]。本社機能の移転型と拡充型で税額控除の限度額は異なり、それぞれ建物等の取得価額に対して、移転型は7%、拡充型は4%です。ただし、その法人税額の20%相当額が上限になります。
したがって不適切な記述は[4]です。