FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問12

問12

各種生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 認知症保険は、医師によりアルツハイマー病の認知症や血管性認知症等に該当する器質性認知症と診断された場合に保険金・給付金が支払われる保険であるが、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を保障するタイプの保険はない。
  2. 就業不能保険は、入院や在宅療養が一定日数以上継続して所定の就業不能状態に該当した場合に、所定の保険金・給付金が支払われる保険であり、うつ病などの精神疾患による就業不能を保障するタイプの保険もある。
  3. 特約組立型保険(組立総合保障保険)は、終身保険等の主契約に特約を付加するタイプではなく、加入者のニーズに応じて、死亡保障、医療保障、介護保障など、必要な特約(保険)を選択し、保障を組み立てることができる保険である。
  4. 医療保険の最近の動向として、入院の短期化、治療費の高額化に対応し、入院日数の長短にかかわらず、入院1日目(日帰り入院)から相応の一時金が支払われるタイプの保険が販売されている。

正解 1

問題難易度
肢179.3%
肢28.9%
肢37.3%
肢44.5%

解説

  1. [不適切]。認知症保険は、平均寿命が延び、死亡リスクよりも長生きリスクをカバーする生存保障分野のニーズが高まってきたことを背景に商品化された商品です。アルツハイマー病や血管性認知症等の器質性認知症と診断された場合に保険金・給付金が支払われる保険で、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)を保障(一時金等の給付)するタイプの保険もあります。
  2. 適切。就業不能保険は、病気やケガ等で働けなくなり入院および在宅療養が一定日数以上継続した場合に給付金が支払われる保険です。多くの就業不能保険は、精神疾患による就業不能は保障の対象となりませんが、一部、精神疾患による就業不能をカバーする保険もあります。
  3. 適切。特約組立型保険は、その名の通り、医療保障、障害保障、介護保障、生存保障などの特約を加入者が任意に組み合わせ可能な保険で、主契約を結ぶ必要はありません。
  4. 適切。医療技術の進歩による入院期間の短期化や日帰り入院数の増加に対応して、入院日数にかかわらず、日帰り入院でも数十万円程度の一時金を給付する保険が販売されています。
したがって不適切な記述は[1]です。