FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問34

問34

宅地建物取引業法の媒介契約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 専属専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専属専任媒介契約に係る業務の処理状況を、2週間に1回以上報告しなければならない。
  2. 専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができるが、当初の契約締結時にあらかじめ自動更新する旨の特約を定めることも有効である。
  3. 一般媒介契約では、重ねて依頼する宅地建物取引業者を明示しない契約とすることができる。
  4. 一般媒介契約または専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、その契約の締結の日から7日以内に指定流通機構に物件情報の登録をしなければならない。

正解 3

問題難易度
肢15.4%
肢210.1%
肢366.9%
肢417.6%

解説

  1. 不適切。依頼者に対する業務処理状況の報告は、専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上しなければなりません(宅建業法34条の2第9項)。本肢は専属専任媒介契約ですので、2週間に1回以上では違反となります。
    専属専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該媒介契約に係る業務の処理状況を、2週間に1回以上報告しなければならない。2020.1-34-3
    媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、媒介契約が専任媒介契約である場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約である場合は1週間に1回以上、当該媒介契約に係る業務の処理状況を報告しなければならない。2019.9-36-4
    専属専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専属専任媒介契約に係る業務の処理状況を、1週間に1回以上報告しなければならない。2018.1-35-4
    専属専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専属専任媒介契約に係る業務の処理状況を、1週間に1回以上報告しなければならない。2016.9-34-3
    専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を、原則として、2週間に1回以上報告しなければならない。2015.1-35-c
    専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を、原則として、2週間に1回以上報告しなければならない。2014.1-36-2
  2. 不適切。(専属)専任媒介契約の有効期間は3カ月が上限です。3カ月を超える期間を設定したときは3カ月とみなされます。これは依頼者からの申出のときや更新時も同様です。また契約の自動更新は認められていません(宅建業法34条の2第4項)。
    専任媒介契約の有効期間は2カ月が上限とされ、依頼者の申出により有効期間を更新する場合も、更新の時から2カ月が上限となる。2020.1-34-1
    専任媒介契約の有効期間は3カ月が上限とされ、依頼者の申出により有効期間を更新する場合も、更新の時から3カ月が上限となる。2018.1-35-2
  3. [適切]。一般媒介契約は、依頼者がほかの宅建業者に重ねて依頼をしてもよい契約です。一般媒介契約には明示型と非明示型があり、明示型はほかにどの宅建業者に依頼しているのかを知らせる義務を依頼者が負うもの、非明示型は知らせる義務のないものです。特約がなければ非明示型となります。
  4. 不適切。宅建業者が一定の事項を指定流通機構に登録しなければならないのは(専属)専任媒介契約を締結したときです。一般媒介契約では指定流通機構への登録は義務ではありません。指定流通機構への登録するまでの期間は、専任媒介契約では契約日から休業日を除いて7日以内、専属専任媒介契約では契約日から休業日を除いて5日以内と定められています(宅建業法規則15条の10)。
    専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、専任媒介契約の締結の日から5日以内に指定流通機構に物件情報の登録をしなければならない。2018.1-35-3
    専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探索するため、専任媒介契約の締結の日から5日以内に指定流通機構に物件情報の登録をしなければならない。2016.9-34-2
    専属専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、契約の相手方を探すため、当該物件について必要な事項を、媒介契約の締結の日から5日以内(休業日数は除く)に指定流通機構に登録しなければならない。2014.1-36-3
したがって適切な記述は[3]です。