FP1級過去問題 2023年5月学科試験 問48
問48
個人が相続により取得した財産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、課税時期の最終価格と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。
- 金融商品取引所に上場されている不動産投資法人の投資証券の価額は、原則として、課税時期の最終価格、課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額によって評価する。
- 家屋の附属設備等のうち、庭木、庭石、あずまや、庭池等の庭園設備の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。
- 販売業者が有するもの以外の書画骨とう品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。
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正解 3
問題難易度
肢128.1%
肢226.9%
肢340.8%
肢44.2%
肢226.9%
肢340.8%
肢44.2%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:5.相続財産の評価(不動産以外)
解説
- 適切。金融商品取引所に上場されている利付公社債は、原則として課税時期の最終価格と既経過利息(源泉所得税相当額控除後)との合計額によって評価します(財評通197-2)。
【参考】源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額とは、利払期が到来していない利息のうち課税時期までの既経過分に相当する利息から源泉徴収額を控除した額です。例えば利払いが毎年1月末に行われる公社債を5月末に評価する場合、2月~5月分の利息を評価額に含めるということです。金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、課税時期の最終価格と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。(2018.9-47-2)個人向け国債の価額は、原則として、発行価額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。(2018.9-47-3)個人向け国債は、原則として、発行価額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。(2015.1-48-4) - 適切。上場されている不動産投資法人の投資証券(REIT)は、1口ごと上場株式の評価方法に準じて、すなわち課税時期の最終価格またはそれ以前3カ月間の最終価格の平均額のうち、最も低い価額によって評価します。上場されていないものは、課税時期の1口当たりの純資産額に口数を乗じて得た金額によって評価します(財評通213)。被相続人が銀行で購入した証券投資信託は、原則として、課税時期の1口当たりの基準価額または課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の1口当たりの基準価額の各月ごとの平均額のうち最も低い価額に所有口数を乗じた金額により評価する。(2022.1-49-2)金融商品取引所に上場されている不動産投資法人の投資証券の価額は、原則として、課税時期の最終価格または課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額によって評価する。(2018.9-47-4)金融商品取引所に上場されている不動産投資法人の投資証券は、原則として、課税時期における当該不動産投資法人の1口当たりの純資産額に口数を乗じて得た金額によって評価する。(2017.1-48-1)国内の2以上の金融商品取引所に上場されている株式は、原則として、納税義務者が選択した金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格または課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額によって評価する。(2017.1-48-2)金融商品取引所に上場されている株式は、原則として上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格、または課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のうち最も低い価額によって評価する。(2015.1-48-1)
- [不適切]。庭園設備(庭木、庭石、あずまや、庭池等)は、調達価額に70%を乗じた価額によって評価します。調達価額とは、評価時点においてその財産と同じものを取得する場合の価額のことを指します(財評通92)。
- 適切。販売業者ではない者が所有する書画骨とう品の相続税評価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌にして評価を行います。売買実例価額とは実際に取引されている売買価額のこと、精通者意見価格とは鑑定人などに鑑定を依頼して得られた鑑定価額のことです。なお、販売業者が有するものは棚卸資産に準じて評価されます(財評通135)。
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