FP1級過去問題 2023年9月学科試験 問2

問2

全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者の資格喪失後の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 資格を喪失した際に傷病手当金を受給している者は、傷病手当金の支給期間が資格喪失前の期間と通算して1年6カ月になるまで、傷病手当金を受給することができる。
  2. 資格を喪失した際に出産手当金を受給している者が、資格喪失後に配偶者が加入する健康保険の被扶養者となった場合、出産手当金を受給することができる期間内であっても、出産手当金は支給されない。
  3. 被保険者であった者が資格喪失の日から6カ月以内に出産をした場合、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金を受給することができる。
  4. 資格喪失後に傷病手当金を受給していた者が、当該傷病手当金を受給しなくなった日から3カ月以内に死亡し、その者により生計を維持されていた者が埋葬を行った場合、埋葬料が支給される。

正解 2

問題難易度
肢16.8%
肢265.0%
肢314.1%
肢414.1%

解説

  1. 適切。退職などにより資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間があれば、通算1年6か月に達するまで傷病手当金を受給することができます(健保法104条)。
  2. [不適切]。被扶養者になる・ならないは関係ありません。退職などにより資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けている者は、資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間があれば、出産前後合わせて原則98日の期間内で出産手当金を受給することができます(健保法104条)。
  3. 適切。資格喪失日の前日までに引き続き1年以上の被保険者期間がある者が、資格喪失日から6か月以内に出産(妊娠4カ月以上に限る)したときは、所定の出産育児一時金を受給することができます(健保法106条)。
  4. 適切。資格喪失後に継続して傷病手当金・出産手当金の支給を受けている者、または支給を受けなくなってから3か月以内の者が死亡したときは、埋葬を行った者に対して埋葬料(5万円)が支給されます(健保法105条)。
したがって不適切な記述は[2]です。