FP1級過去問題 2024年1月学科試験 問11
問11
生命保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 個人年金保険料税制適格特約が付加されている個人年金保険の基本年金額を減額した場合、減額した基本年金額に相当する解約返戻金相当部分は、将来の増額年金として積み立てられる。
- 指定代理請求特約における指定代理請求人の範囲は、被保険者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹とされ、甥や姪は被保険者と生計を一にしていたとしても指定代理請求人になることができない。
- 契約転換制度により、現在加入している生命保険契約を新たな契約に転換する場合、転換後契約の保険料は、転換時の年齢等により算出され、転換時において告知等をする必要がある。
- 市場価格調整(MVA)機能を有する終身保険の解約返戻金は、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇していた場合には減少し、低下していた場合には増加することがある。
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正解 2
問題難易度
肢112.0%
肢267.8%
肢313.9%
肢46.3%
肢267.8%
肢313.9%
肢46.3%
分野
科目:B.リスク管理細目:3.生命保険
解説
- 適切。個人年金保険料税制適格特約が付加されている場合には、減額返戻金は自動的に配当金の積立てに充当され、増額年金の原資となります。個人年金保険料税制適格特約が付加されているときは、被保険者の死亡・高度障害状態となった場合を除いて年金以外の給付が禁止されるからです。これに対して、個人年金保険料税制適格特約が付加されていない個人年金保険では、個人年金保険の基本年金額を減額すると、契約者はその部分に相当する解約返戻金を受け取ることができます。
- [不適切]。指定代理請求人の範囲は、保険会社により若干の差異はありますが、一般的には①配偶者、②直系血族、③同居または生計を一にしている3親等以内の親族です。甥や姪は3親等に当たるので、被保険者と生計を一にしていれば指定代理請求人になることができます。
- 適切。契約転換制度は、現在加入している生命保険の積立部分や積立配当金を転換価格(下取り価格)として、同じ保険会社が扱う別の契約の保険料の一部に充てる方式です。新規の契約として扱われるので、転換時には改めて告知・診査が必要となり、転換後の保険料は転換時の年齢や保険料率で計算されます。
- 適切。市場価格調整(Market Value Adjustment)は、保険を中途解約した場合の解約返戻金が市場金利に応じて変動する仕組みのことです。市場価格調整機能を有する保険では、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金が減少し、逆に下落した場合には解約返戻金は増加することになります。これは、市場価格調整の仕組みを持つ保険が一部または全部を債券で運用しており、市場金利が高く(低く)なると債券価格が下がり(上がり)、解約返戻金に充てるための売却価格が下落(上昇)するためです。
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