FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問8

問8

中小企業の資金調達に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 日本政策金融公庫の国民生活事業における新事業活動促進資金は、経営革新計画の承認を受けた者など新事業活動に取り組む者が利用することができ、その融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)である。
  2. 日本政策金融公庫の国民生活事業における新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)は、女性や35歳未満もしくは55歳以上の者の創業を支援する融資制度であり、既に事業を開始している者は融資の対象とならない。
  3. 信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から受ける融資について信用保証協会が保証を行うものであり、中小企業者がその保証を利用するためには、業種に応じて定められた売上高および資本金または出資金の額の要件を満たす必要がある。
  4. 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度であり、取引先事業者の倒産により売掛金の回収が困難になったときは、無担保かつ無保証人で、納付した掛金総額の5倍を限度として共済金を借り入れることができる。

正解 1

問題難易度
肢142.7%
肢27.7%
肢333.1%
肢416.5%

解説

  1. [適切]。新事業活動促進資金は、経営革新計画の承認を受けた者や一定の技術・ノウハウ等に新規性がみられる者など新事業活動に取り組む者が、設備資金や運転資金として利用できる融資制度です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、資金の使途や担保の有無などにより基準利率よりも低い特別利率が適用されることもあります。
  2. 不適切。新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)は、女性、35歳未満の者、55歳以上の者が新たに事業を始める場合に利用できる融資制度です。すでに事業を開始している者であっても、事業開始後税務申告を2期終えていない者は、当制度を利用することができます。融資限度額は7,200万円(運転資金4,800万円)で、基準利率よりも低い特別利率が適用されます。
  3. 不適切。企業規模の条件に売上高は含まれません。信用保証協会が保証をしている融資は「保証付融資」と呼ばれ、借主の返済が滞った場合に、借主に代わって信用保証協会が金融機関に立替払いを行います。「保証付融資」を利用するための要件は、業種に応じて定められた資本金または従業員数のいずれか条件を満たすことです。
  4. 不適切。経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先の倒産によって経営難になるリスクに備える中小企業のための制度です。取引先事業者が倒産した際に、納付した掛金総額の10倍(上限8,000万円)まで無担保・無保証人で共済金を借り入れることができます。
したがって適切な記述は[1]です。