ライフプラン策定上の資金計画(全26問中16問目)

No.16

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2018年1月試験 問8
  1. 65歳未満の定年の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「当該定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」「当該定年の定めの廃止」のいずれかを講じなければならないとされている。
  2. 事業主が新たに継続雇用制度を導入する場合、原則として希望者全員を対象とするものにしなければならないが、労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢以上の者について定めることが可能とされている。
  3. 継続雇用制度には、事業主が、子法人などの特殊関係事業主との間で、「継続雇用制度の対象となる高年齢者を定年後に特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約」を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれる。
  4. 高年齢者雇用確保措置が講じられていない企業が、高年齢者雇用確保措置の実施に関する勧告を受けたにもかかわらず、これに従わなかった場合、厚生労働大臣はその旨を公表することができるとされている。

正解 2

問題難易度
肢113.8%
肢252.3%
肢313.7%
肢420.2%

解説

  1. 適切。高年齢者雇用安定法では、事業主に対してその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次のいずれかの措置を実施するよう義務付けています(高年齢者雇用安定法9条1項)。
    1. 定年の引上げ
    2. 継続雇用制度の導入
    3. 定年の定めの廃止
    さらに2021年4月1日施行の改正法では、上記に加えて70歳までの就業確保について①~③の措置を講じることを努力する義務が規定されています。
  2. [不適切]。高年齢者雇用確保措置が義務化された2012年(平成24年)改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、法の規定に基づき、基準の対象年齢を段階的に引き上げながら労使協定の基準を使い続けることが可能です(平成24年改正法附則3項)。新たに継続雇用制度を導入する場合には、経過措置の適用はなく、労使協定により高年齢者雇用確保措置対象者の年齢を限定することはできません。
  3. 適切。継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主(グループ子会社等)との間で、定年後も継続雇用を希望する高年齢者を引き続いて雇用する契約を締結し、その契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれます(高年齢者雇用安定法9条2項)。
  4. 適切。厚生労働大臣は、高年齢者雇用確保措置(肢1の3つのいずれか)を講じていない事業主に対し、必要な指導及び助言をすることができ、なお違反が是正されない場合には勧告を行うことができます。事業主がその勧告に従わなかった場合には、厚生労働大臣は、その旨を公表することができます(高年齢者雇用安定法10条)。
したがって不適切な記述は[2]です。