生命保険(全79問中13問目)

No.13

外貨建保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2023年1月試験 問10
  1. 個人が加入した外貨建養老保険(一時払い)を契約締結日から5年以内で解約し、解約差益が発生した場合、一時所得として総合課税の対象となる。
  2. 外貨建終身保険(平準払い)において、毎回一定額の外貨を保険料に充当する払込方法を選択することにより、ドルコスト平均法により為替変動リスクを軽減する効果が期待できる。
  3. 外貨建終身保険(平準払い)について、円換算支払特約を付加することで、死亡保険金や解約返戻金を円貨で受け取ることが可能になり、為替変動リスクを軽減する効果が期待できる。
  4. 市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、契約時と比較した解約時の市場金利の上昇は、解約返戻金額の減少要因となる。

正解 4

問題難易度
肢112.6%
肢214.0%
肢34.2%
肢469.2%

解説

  1. 不適切。一時払養老保険や確定年金タイプの一時払個人年金保険について、保険期間5年以下の保険契約が終了、または契約日から5年以内に保険を解約して差益が発生したときは、金融類似商品として合計20.315%の源泉分離課税の対象となります。これは外貨建てだったとしても変わりません。
  2. 不適切。ドルコスト平均法は、価格が変動する商品について一定額を定期的に購入する方法です。価格が低いときは多く買い、価格が高いときは少なく買うことで平均購入単価を平準化する効果があります。外貨建て商品の為替変動リスクについてドルコスト平均法の効果を得るには、円貨ベースで一定額を定期的に買い付ける必要があります。外貨ベースで一定額だと毎回同じ量だけ外貨を買うことになるので、為替変動リスクを軽減する効果は期待できません。
  3. 不適切。円換算支払特約は、外貨建て保険の保険金を円貨で受け取るための特約です。円換算支払特約を付加する主な目的は、保険金を受け取るための外貨預金口座を不要とすることであって、為替リスクを回避することではありません。
  4. [適切]。市場価格調整(Market Value Adjustment)は、保険を中途解約した場合の解約返戻金が市場金利に応じて変動する仕組みのことです。市場価格調整機能を有する保険では、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金が減少し、逆に下落した場合には解約返戻金は増加することになります。これは、市場価格調整の仕組みを持つ保険が一部または全部を債券で運用しており、市場金利が高く(低く)なると債券価格が下がり(上がり)、解約返戻金に充てるための売却価格が下落(上昇)するためです。
したがって適切な記述は[4]です。