損害保険(全64問中47問目)
No.47
法人が受け取る損害保険の保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。2017年1月試験 問15
- 法人所有の工場建物が火災により滅失し、受け取った火災保険金でその事業年度中に倉庫建物を新たに取得した場合は、建物の用途が異なるため、圧縮記帳の適用対象とならない。
- 法人所有の工場建物が火災により滅失し、受け取った火災保険金を当該建物が滅失した時点において既に建設中であった工場建物の建設費用に充当した場合は、圧縮記帳の適用対象とならない。
- 法人所有の工場建物内の機械設備が火災により滅失し、火災保険金の額が確定する前に滅失した機械設備に係る代替資産を取得した場合は、圧縮記帳の適用対象とならない。
- 法人所有の倉庫建物内の商品が火災により全焼し、受け取った火災保険金でその事業年度中に焼失前と同一の商品を購入した場合は、圧縮記帳の適用対象となる。
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正解 2
問題難易度
肢112.3%
肢256.7%
肢310.5%
肢420.5%
肢256.7%
肢310.5%
肢420.5%
分野
科目:B.リスク管理細目:4.損害保険
解説
- 不適切。取得等をした固定資産がその滅失等をした所有固定資産と同一種類の固定資産であるかどうかは、減価償却資産の耐用年数表における種類の区分が同じであるかどうかによって判定されます。工場建物と倉庫建物は耐用年数表において同一の種類に分類されているため代替資産となり、圧縮記帳の適用対象となります(法基通10-5-3)。
- [適切]。代替資産は、所有固定資産が滅失等をしたことによりこれに代替するものとして取得等をされる固定資産に限られるので、滅失等のあった時において現に自己が建設、製作、製造または改造中であった資産は、圧縮記帳の対象となる代替資産に該当しません(法基通10-5-4)。
- 不適切。代替資産の取得は、滅失の日から保険金等の額の支払いを受けた事業年度の終了日までに行う必要があります。よって、滅失後、保険金の額が確定する前に取得した代替資産も圧縮記帳の適用対象となります(法人税法47条1項)。
- 不適切。圧縮記帳の対象となる保険金等は、固定資産の滅失等に基因して受け取るものに限られるので、所有固定資産の滅失等に関連して支払いを受けるものであっても、商品や原材料などの棚卸資産の滅失等により受ける保険金等や所有固定資産の滅失等に伴う休廃業の利益・費用補償として支払われる保険金等は対象外となります。よって、棚卸資産の買換えについては圧縮記帳を適用することはできません(法基通10-5-1)。
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