投資信託(全25問中2問目)

No.2

各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問17
  1. 後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、信託契約の締結、信託の変更・解約等の手続があらかじめ家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われ、信託財産は金銭に限定されている。
  2. 暦年贈与信託は、委託者が拠出した信託財産のうち毎年一定額を受益者に給付する旨の贈与契約書を作成して設定される信託であり、年間給付額は贈与税の基礎控除額である110万円が上限となる。
  3. 生命保険信託は、委託者が保険会社と締結した生命保険契約に基づく保険金請求権を信託銀行等に信託し、委託者の相続が開始した際には、信託銀行等が保険金を受け取り、受益者に対してあらかじめ定められた方法により給付する信託である。
  4. 遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者が受益者となり、委託者の死亡後は委託者があらかじめ指定した者が受益者となる信託であり、あらかじめ指定した者に対しては、一時金による給付のほか、定期的に一定額を給付することも可能である。

正解 2

問題難易度
肢114.4%
肢268.3%
肢310.4%
肢46.9%

解説

  1. 適切。後見制度支援信託は、法定被後見人の財産を保護し生活の安定に資するために、法定被後見人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託するものです(信託財産は金銭に限られる)。委託者=受益者となる自益信託で、交付等の手続きは家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われます。なお、本信託の対象となるのは法定被後見人だけですので、被保佐人、被補助人、任意被後見人は対象外です。
  2. [不適切]。暦年贈与信託は、委託者が拠出した信託財産のうち毎年一定額を受益者に給付する信託です。年間給付額に上限はないので、贈与税の基礎控除額110万円を超えて設定することも可能です。
  3. 適切。生命保険信託は、委託者が保険会社と締結した生命保険契約に基づいて、委託者が死亡等したことによる保険金を信託銀行等が受取り、それを受益者に対してあらかじめ定められた方法により給付する信託です。
  4. 適切。遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者のために財産を管理・運用をし、委託者本人が受益者として給付を受け、委託者の死亡後は、あらかじめ指定された人が受益者となって遺産の分配を受ける仕組みです。一時金や年金での受取りなど、契約時に給付方法や額をあらかじめ決めておくことができます。
したがって不適切な記述は[2]です。