各種所得の内容(全46問中13問目)
No.13
居住者に係る所得税の不動産所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。2022年5月試験 問26
- 賃貸アパートの建物およびその敷地を譲渡するために、賃借人に支払う立退料は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
- 広告等の看板を設置するため、家屋の屋上や塀等を使用させることにより受け取る使用料は、不動産所得に該当する。
- 所有する賃貸アパートを取り壊したことにより生じた損失の金額は、当該貸付が事業的規模で行われている場合、不動産所得の金額の計算上、その損失の金額を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入することができる。
- 国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例により、賃貸している国外中古建物について簡便法により算定した短い耐用年数による減価償却費を計上して損失の金額を生じさせることで、その損失の金額を給与所得や事業所得の金額と損益通算することができる。
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正解 2
問題難易度
肢119.5%
肢265.2%
肢39.1%
肢46.2%
肢265.2%
肢39.1%
肢46.2%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:3.各種所得の内容
解説
- 不適切。賃貸している建物およびその敷地を譲渡するときに賃借人に立ち退いてもらうために支払う立退料は、譲渡所得を計算するときの譲渡費用となります。不動産所得の計算上の必要経費に算入することはできません(所基通33-7)。
- [適切]。広告等の看板を設置するために、家屋の屋上、塀、側面などを使用させることによって受け取る使用料は、不動産所得に該当します(所基通26-5)。
- 不適切。不動産所得を計算する際、賃貸用固定資産の取壊しや除却に伴う損失金額は、その貸付けが事業的規模で行われている場合、損失金額の全額を必要経費に算入することができます(赤字にできる)。一方、事業的規模でない場合は、損失金額を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入することができます(赤字にできない)。
- 不適切。国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例とは、国外不動産所得に損失の金額があるとき、その損失の金額のうち国外中古建物の減価償却費に相当する金額については生じなかったものとみなすというものです。なかったものとみなされれるため、その損失金額を給与所得や事業所得の金額と損益通算することはできません。
この特例は、新築と中古で価格差の少ない国外の投資用中古不動産を用いて、減価償却費の計上で節税を行うスキームを塞ぐため令和3年度から適用が開始されたものです。
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