所得控除(全31問中25問目)

No.25

2024年分の居住者に係る所得税における医療費控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2015年10月試験 問27
  1. 青色事業専従者として給与の支払を受けている妻に係る医療費で一定のものを事業主である夫が支払った場合、当該医療費は夫の医療費控除の対象となる。
  2. 薬局や薬店などで市販されているかぜ薬の購入費用は、その購入にあたって医師の処方や指示がある場合に限り、医療費控除の対象となる。
  3. 医師による診療を受けるために自家用車で通院した場合、通院のための走行距離を基に算出したガソリン代や駐車場の料金は、医療費控除の対象となる。
  4. 支払った医療費を補てんする保険金等の額が、補てんの対象とされる医療費の額を上回っている場合、その上回っている金額をその年中に支払った他の医療費の総額から差し引いて控除額を算出する。

正解 1

問題難易度
肢175.9%
肢28.7%
肢33.7%
肢411.7%

解説

  1. [適切]。医療費控除の適用上、配偶者が事業専従者であるかどうかは関係ありません。したがって、生計を一にする配偶者のために支払った医療費は、その全額を支払った本人の医療費控除の対象とすることができます。
  2. 不適切。医師の処方や指示は不要です。医療費控除では、治療または療養に必要な医薬品の購入対価が対象となります。これは、医師の処方などにより購入する医薬品に限らず、薬局や薬店などで市販されている一般的な医薬品も含まれます。ただし、一般的に支出される水準を超えない部分の金額に限られます。
  3. 不適切。対象となりません。通院費のうち医療費控除の対象となるのは、電車・バスなどの公共交通機関を使った運賃と、やむを得ない場合のタクシー代に限られます。自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は対象外です。
    【参考】
    医療費控除における医療費とは、①診療・治療、②医薬品の購入その他医療、③これに関連する人的役務の対価のうち通常必要と認められるものとされています。③を踏まえると、人的役務の対価である電車賃・バス賃・タクシー代はその範囲内ですが、自家用車に係る費用は明らかに人的役務の対価ではありません。このため医療費控除の対象とはなりません。
  4. 不適切。他の医療費からは差し引きません。支払った医療費を補填する保険金等の金額がある場合には、支払った医療費の金額からその医療費を補填する保険金等の金額を差し引くこととされていますが、この場合の差引計算は、その補填の対象とされる医療費ごとに行い、支払った医療費の金額を上回る部分の補填金の額は、他の医療費の金額からは差し引きません。
したがって適切な記述は[1]です。