法人税(全69問中41問目)

No.41

法人税法上の益金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
2019年1月試験 問31
  1. 法人が行った資産の販売または譲渡に係る収益の額は、原則として、その資産の引渡しの時における価額により、引き渡した日の属する事業年度の益金の額に算入する。
  2. 法人が欠損金の繰戻しにより受けた法人税額の還付金および還付加算金の額は、その全額が益金不算入となる。
  3. A社とA社が発行済株式の全部を保有するB社において、A社がB社から受けた当該株式(完全子法人株式等)に係る配当の額は、所定の手続により、その全額が益金不算入となる。
  4. C社とC社が発行済株式の全部を保有するD社において、D社がC社から受けた所定の寄附金の額に対応する受贈益の額は、益金不算入となる。

正解 2

問題難易度
肢114.0%
肢259.0%
肢313.0%
肢414.0%

解説

  1. 適切。法人が資産の販売や譲渡によって得た収益の額は、原則として、対価の額にかかわらず引き渡した時の価額(時価)で、引き渡した日の属する事業年度の益金の額に算入します(法人税法22条の2第1項)。
  2. [不適切]。還付加算金は益金算入です。納めた税金が何らかの事情により返還されることがあり、その場合、還付金に加えて、その利子に相当する還付加算金を受け取ることになります。法人税額は損金項目ではないため、還付を受けた場合でも益金に算入しません(法人税法26条1項)。欠損金の繰戻し還付を受けた場合でも同様です。一方、還付されるまでの利子である還付加算金は、単純に利益なので益金に算入します。
  3. 適切。完全子法人株式等とは、完全支配関係のある法人から受ける配当等をいい、その受取配当金は、申告書に記載する等の所定の手続きをすることで全額が益金不算入となります(法人税法23条1項)。完全支配関係とは、株式の全部を直接または間接的に保有していることをいいます。
  4. 適切。完全支配関係のある法人間での寄附金は、受け取った法人の受贈益の額は全額が益金不算入となります(法人税法25条の2)。また、支出した法人側の寄附金の額は、その全額が損金不算入となります(法人税法37条1項)。
したがって不適切な記述は[2]です。