不動産の有効活用(全4問中2問目)

No.2

不動産の有効活用の手法に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 事業用定期借地権方式は、事業者である借主が土地を契約で一定期間賃借し、借主が建物を建設する手法であり、賃貸借期間満了後、土地は地主に返還されるが、地主が残存建物を買い取らなければならないというデメリットがある。
  2. 建設協力金方式は、入居予定の事業者から、地主が建設資金を借り受けて、事業者の要望に沿った店舗等を建設し、その建物を事業者に賃貸する手法であり、建設資金は賃料の一部で返済していくため、事業者が撤退するリスクや契約内容を事前に精査しておくことが肝要である。
  3. 等価交換方式は、地主が所有する土地の全部または一部を提供し、事業者が建設資金を負担して当該土地にマンション等を建設し、完成した区分所有建物とその敷地の所有権等を地主と事業者がそれぞれの出資割合に応じて保有する手法であり、地主は自己資金を使わず、収益物件を取得できるというメリットがある。
2022年5月試験 問41
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 2

問題難易度
肢116.4%
肢265.3%
肢315.8%
肢42.5%

解説

  1. 不適切。事業用定期借地権では、存続期間満了後に借主が土地を更地にして返還するので、地主が建物を買い取る必要はありません。定期借地権には、一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権の3つがありますが、このうち、地主が借地上の建物を買い取る必要があるのは建物譲渡特約付借地権だけです。
  2. 適切。建設協力金方式とは、その建物に入居予定のテナント(事業者)が土地所有者へ提供した建設協力金をもとに、土地所有者が建物を建設する事業方式です。完成した建物は土地所有者の名義となり、テナント(事業者)へ貸し出します。賃貸借契約期間中はテナントから賃料を受け取りますが、賃料の一部は建設協力金の返済部分と相殺されます。事業者が撤退すると他に使い道のない建物が残ってしまうので、その部分のリスクを考慮する必要があります。
  3. 適切。等価交換方式では、土地所有者が土地を提供し、デベロッパーが建設資金を負担して建物を建設します。建物が完成したら、土地所有者とデベロッパーが土地と建物のそれぞれの一部を出資割合に応じて所有します。資金提供の代わりに土地を提供するので、自己資金がなくても利用できる方式です。
したがって適切なものは「2つ」です。