不動産の見方(全30問中24問目)

No.24

不動産登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年10月試験 問34
  1. 区分建物以外の建物の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により計算される。
  2. 合筆しようとしている二筆の土地のうち、一筆に抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付しても、合筆の登記をすることはできない。
  3. 所有権移転の仮登記をした場合には、抵当権設定登記はできるが、所有権移転登記はすることができない。
  4. 不動産登記法第14条に基づく地図は、一筆または二筆以上の土地ごとに作成され、明確に土地の区画および地番が表示されている。

正解 3

問題難易度
肢111.6%
肢28.1%
肢365.1%
肢415.2%

解説

  1. 適切。区分建物以外の建物の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によって計算されます(壁芯面積)。区分建物の建物の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積で計算されます(内法面積)。
  2. 適切。合筆の登記は以下の場合にはすることができません(不登法41条)。
    1. 相互に接続していない土地
    2. 地目または地番区域が相互に異なる土地
    3. 表題部所有者または所有権の登記名義人が相互に異なる土地
    4. 表題部所有者または所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地
    5. 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地
    6. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地
    抵当権とある土地とない土地を合筆した場合、合筆後の土地の一部を対象とする抵当権が生じることとなります。一筆の土地の一部に存する権利を公示することはできないため合筆が禁止されています。抵当権者の承諾があってもダメです。
  3. [不適切]。所有権移転仮登記は、当事者間の合意で所有権を移転をした後、書類の不備などにより本登記できないときに順位保全を目的としてする登記です。この所有権移転仮登記はあくまでも仮の登記なので第三者に権利を主張する対抗力はなく、所有権移転仮登記がある場合でも、抵当権設定登記や所有権移転登記をすることはできます。
    所有権移転の仮登記は、実体上の所有権移転が既に生じている場合、申請することができない。2024.9-34-1
    所有権移転の仮登記は、実体上の所有権移転が既に生じている場合には、申請することができない。2019.1-34-1
    所有権移転の仮登記をした場合、当該土地に抵当権設定登記をすることはできるが、所有権移転登記をすることはできない。2017.1-34-3
    所有権移転の仮登記がされている場合には、抵当権設定登記はできるが、所有権移転登記はすることができない。2015.1-34-3
  4. 適切。不動産登記法第14条の地図(14条地図)とは、登記所に備え付けられている地図のことで、正確な測量に基づいて、一筆または二筆以上の土地ごとにその土地の区画と地番を明確に表示したものです。現地復元能力を有します(不登法14条2項)。
したがって不適切な記述は[3]です。