不動産に関する法令上の規制(全68問中26問目)

No.26

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年5月試験 問38
  1. 規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。
  2. 形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。
  3. 敷地利用権が数人で有する所有権である場合、区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、原則として、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。
  4. 集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による建替え決議がなされた場合、その決議に賛成した区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者から、区分所有権および敷地利用権を時価で買い取らなければならない。

正解 4

問題難易度
肢19.3%
肢213.8%
肢37.1%
肢469.8%

解説

  1. 適切。規約の設定、変更及び廃止には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によらなければなりません。規約の設定、変更または廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その区分所有者の承諾を得なければなりません(区分所有法31条1項)。
  2. 適切。形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うときには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によらなければなりません。ただし、規約で別段の定めをすることによって、区分所有者の定数のみ過半数まで減じることができます(区分所有法17条1項)。
  3. 適切。敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、規約で別段の定めがあるときを除き、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができません(区分所有法22条1項)。
  4. [不適切]。建替え決議に伴う区分所有権等の売渡し請求は、建替えに賛成した区分所有者もしくは建替えに参加する旨を回答した区分所有者(または買受指定者)から、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対して請求できます。買取りは義務ではありません。また、反対した区分所有者側から買取りを請求することはできません(区分所有法63条3項)。
したがって不適切な記述は[4]です。