不動産の見方(全30問中9問目)

No.9

不動産登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2022年5月試験 問34
  1. 登記記録のうち、権利部の甲区には所有権の移転の登記、所有権に関する仮登記などの登記事項が記録され、権利部の乙区には抵当権の設定の登記、抵当権の実行による競売手続開始を原因とする差押えの登記、地上権の設定の登記などの登記事項が記録される。
  2. 抵当権の設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書に当該第三者の承諾書を添付しなければならない。
  3. 合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の設定の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。
  4. 現在事項証明書には、登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するものが記載され、何区何番事項証明書には、権利部の相当区に記録されている事項のうち請求に係る部分が記載されている。

正解 4

問題難易度
肢123.8%
肢215.3%
肢37.8%
肢453.1%

解説

  1. 不適切。権利部の甲区には所有権に関する事項が記録され、権利部の乙区には所有権以外の権利に関する事項が記録されています。権利部の乙区には抵当権、地上権、賃貸権等の権利について記録されていますが、差押えの登記が記録されるのは、権利部甲区です
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  2. 不適切。所有権に関する仮登記に基づき本登記を申請する場合、登記上の利害関係を有する第三者がいるときは、申請書にその第三者の承諾書を添付しなければ申請できませんが、抵当権の設定については、利害関係を有する第三者がいるときでも第三者の承諾を得る必要はありません。
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    抵当権設定の仮登記に基づく本登記は、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、当該第三者の承諾がない限り、申請することができない。2024.9-34-4
    所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、原則として当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができ、当該本登記の順位は当該仮登記の順位による。2020.9-34-2
    抵当権設定の仮登記に基づく本登記は、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。2019.1-34-3
    抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請書に当該第三者の承諾書を添付しなければならない。2016.1-34-4
    抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する際に、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、申請書にその第三者の承諾書等を添付しなければならない。2014.1-34-4
  3. 不適切。合筆は、2筆以上の隣接する土地を1つの土地として法的に合体させることですが、所有権の登記以外の権利(抵当権など)が登記されている土地が含まれる場合は、抵当権者の承諾書があっても合筆することはできません。合筆後の土地の一部を対象とする権利が生じることとなり、権利の公示が煩雑になってしまうためです。
  4. [適切]。現在事項証明書は、現在の登記内容が記載されている証明書で、登記内容を公的に証明することが可能で現在有効ではない情報は原則として記載されていません。何区何番事項証明書は、権利部の甲区および乙区に記録されている事項のうち、請求に係る部分のみが記載されています。
したがって適切な記述は[4]です。