FP1級過去問題 2014年1月学科試験 問13

問13

法人を契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人、代表取締役社長(50歳)を被保険者とする以下の逓増定期保険(無配当)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約年月日は2013年12月1日、保険料の払込方法は年払い、保険期間・保険料払込期間は72歳満了とする。
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  1. 保険期間の当初6割相当期間においては、支払保険料の2分の1を前払保険料として資産計上し、残りの支払保険料については、期間の経過に応じて損金の額に算入する。
  2. 保険期間の6割相当期間経過後の期間においては、支払保険料の全額を損金の額に算入するとともに、それまでに資産計上した前払保険料の累積額をその期間の経過に応じ取り崩して損金の額に算入する。
  3. 契約から9年目に当該生命保険契約を解約する場合、それまで資産計上していた前払保険料を取り崩し、受け取った解約返戻金との差額を雑収入または雑損失として経理処理する。
  4. 契約から10年目に当該生命保険契約を払済終身保険に変更する場合、変更時に経理処理する必要はなく、その後の解約返戻金または死亡保険金等の受取時に経理処理する。

正解 4

問題難易度
肢117.1%
肢217.5%
肢314.9%
肢450.5%

解説

2019年7月7日以前に契約した逓増定期保険の支払保険料は、①満了時年齢、②加入時年齢、③保険期間によって4つの経理処理に分かれます。
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本問の場合、満了時年齢>70歳ですが、50歳+22年×2≦95なので、上図の1.の区分に該当します。
  1. 適切。満了時年齢>70歳ですが、50歳+22年×2≦95なので、支払保険料の2分の1を資産計上、残り2分の1を損金算入する経理処理を行います。
  2. 適切。前半6割期間の経過後は、支払保険料の全額を損金計上するとともに、それまで資産計上していた前払保険料勘定を残り期間に応じて取り崩して損金計上します。
  3. 適切。解約時には、資産計上された前払保険料相当額を取り崩し、解約返戻金との差額は雑収入または雑損失として計上します。
  4. [不適切]。逓増定期保険を解約し、払済終身保険に変更する際には、受け取った解約返戻金をそのまま保険料積立金として資産計上します。そして、逓増定期保険の前払保険料部分を取り崩し、解約返戻金(保険料積立金)との差額を雑収入または雑損失として計上しなければなりません。
したがって不適切な記述は[4]です。