FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問15

問15

事業活動に係る各種損害保険商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 企業費用・利益総合保険や店舗休業保険は、火災・爆発等の事故により建物等が損害を受け、営業活動が休止あるいは阻害されたことによる利益損失を補償する。
  2. 労働災害総合保険は、労働者災害補償保険の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、従業員の仕事の遂行が原因となり、第三者に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されている。
  3. 生産物賠償責任保険は、第三者に引き渡した製品や業務の結果に起因する事故により、他人の身体または財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する。
  4. 施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の安全性の維持、管理の不備や、施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人の身体または財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負担することにより被る損害を補償する。

正解 2

問題難易度
肢128.6%
肢250.3%
肢313.3%
肢47.8%

解説

  1. 適切。失火責任法により、故意または重過失がある場合を除いて、火災が起こった際に隣家に営業停止の損害賠償請求することはできません。企業費用・利益総合保険や店舗休業保険は、災害や事故によって営業が休止したり阻害された場合の休業損失に備えるために有用です。
  2. [不適切]。労働災害総合保険の一部である使用者賠償責任保険は、労災に被災した従業員やその遺族からの損害賠償に備える保険で、第三者への損害賠償は対象外です。業務遂行上、第三者に生じた損害に対する賠償責任についてはPL保険、施設賠償責任保険、請負業者賠償責任保険、受託者賠償責任保険などの各種賠償金保険で対応することになります。
    労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(政府労災保険)等の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、労働災害により使用者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されており、いずれか一方のみに加入することも可能である。2022.5-15-a
    労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、従業員の仕事の遂行が原因となり、第三者に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されている。2021.9-15-a
  3. 適切。生産物賠償責任保険(PL保険)とは、他人に引き渡した製品や工事などの業務結果に起因して、他人の生命や身体および財産を侵害し損害賠償責任を負担した場合の損害を補償する保険です。
    会社役員賠償責任保険は、被保険者である会社役員が役員の業務の遂行に起因して保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害に備えることができる。2022.9-15-1
    労働災害総合保険のうち、使用者賠償責任保険は、被用者が業務の遂行に起因して第三者に損害を与え、使用者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害について保険金が支払われるものである。2021.5-15-3
  4. 適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の使用・管理や業務の遂行によって生じた偶然の事故により、第三者の身体・生命を害したり、財物に損害を与えた場合に法律上の賠償責任を補償する保険です。
したがって不適切な記述は[2]です。