FP1級過去問題 2014年9月学科試験 問42

問42

暦年課税の場合の贈与税の申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 贈与税の申告は、原則として、贈与を受けた者が、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに行うこととされている。
  2. 贈与税の申告書を提出すべき者が提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、原則として、その者の相続人は、その相続開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
  3. 贈与者が贈与をした年に死亡した場合、受贈者が相続または遺贈により財産を取得したか否かにかかわらず、贈与により取得した財産の価額は相続税の課税価格に加算して相続税額を計算するため、贈与税の申告書を提出する必要はない。
  4. 2024年分の贈与税の申告書の提出後、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として法定申告期限から6年以内に限り、更正の請求をすることができる。

正解 3

問題難易度
肢17.8%
肢215.0%
肢364.9%
肢412.3%

解説

  1. 適切。贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に行います。
  2. 適切。贈与税の申告書を提出すべき者が提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
  3. [不適切]。相続税の課税価格に加算するのは、相続や遺贈により財産を取得した者が被相続人より贈与を受けた財産だけです。相続や遺贈により財産を取得した者は相続税で申告するので贈与税の申告は不要となりますが、相続や遺贈により財産を取得しなかった者は贈与財産の価額によっては贈与税の申告書を提出する必要があります。
  4. 適切。贈与税の申告書を提出した後に申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から6年以内であれば、更正の請求をすることができます。所得税、法人税及び相続税は5年ですが、贈与税だけは6年ですので注意しましょう。
したがって不適切な記述は[3]です。