FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問9

問9

損害保険の募集行為等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. コールセンターのオペレーターが行う、事務手続についての説明行為は、損害保険募集人の登録をしていない者でも行うことができる。
  2. 保険契約の契約条項のうち重要な事項は、「契約概要」と「注意喚起情報」に分類して告げることとされている。
  3. 保険法では、一部の事業リスクに係る保険契約を除いて、すべての保険契約を対象に、保険法の規定よりも保険契約者等に不利な内容の約款の定めは無効とする片面的強行規定が設けられている。
  4. 保険期間1年の火災保険契約の場合、申込者(保険契約者)が個人であるときは、クーリング・オフ制度により、保険契約の申込みの撤回等をすることができる。

正解 4

問題難易度
肢17.0%
肢27.1%
肢36.8%
肢479.1%

解説

  1. 適切。コールセンターのオペレーターが行う、事務的な連絡の受付や事務手続き等についての説明業務については保険募集に該当しない(非募集行為に該当する)ため、これらの業務のみを行う者は募集人届出を行う必要がありません。
  2. 適切。保険契約の契約条項のうち重要な事項は、「契約概要」として契約前に保険商品の内容を理解するために確認することが重要であること、「注意喚起情報」として契約前に特に注意して確認することを分類して説明しなければなりません。
  3. 適切。保険法では「保険契約者又は被保険者に不利なものは、無効とする」というような片面的強行規定の規律が設けられ、保険法の規定よりも保険契約者、被保険者または保険金受取人に不利な内容の約款を定めても、その約款の定めが無効となることがあります。
    保険法には、一部の契約を除き、保険法の規定よりも保険契約者等に不利な内容の約款の定めは無効とする片面的強行規定が設けられている。2015.10-9-3
  4. [不適切]。保険契約のクーリング・オフは、保険期間が1年を超える契約の場合にのみ適用があります。本肢のように保険期間がちょうど1年であるときはクーリング・オフを行うことができません。
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    保険会社が指定する医師による診査が終了して生命保険契約を申し込んだ場合や健康診断書を提出して生命保険契約を申し込んだ場合、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の申込みの撤回等をすることができない。2022.9-9-a
    個人が、生命保険契約の申込みの場所として自らの居宅を指定し、保険募集人の訪問を受けて、当該居宅内において申込みをした場合、その者は、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2021.9-9-1
    個人が、団体信用生命保険に加入の申込みをした場合、その者は、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2021.9-9-2
    個人が、既に加入している生命保険契約を更新した場合、その者は、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の更新の申込みの撤回等をすることができる。2021.9-9-3
    生命保険契約の申込者である個人に対し、保険契約の申込みの撤回等に関する事項を記載した書面が交付された日と当該申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して8日を経過していない場合、その者は、クーリング・オフ制度により保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2017.9-10-1
    生命保険契約の申込者である個人が申込みの場所として自らの居宅を指定し、保険募集人の訪問を受けて、当該居宅内において申込みをした場合、その者は、クーリング・オフ制度により保険契約の申込みの撤回等をすることはできない。2017.9-10-2
    生命保険契約の契約者である個人が加入している生命保険契約を更新した場合、その者は、クーリング・オフ制度により保険契約の更新の申込みの撤回等をすることはできない。2017.9-10-3
したがって不適切な記述は[4]です。