FP1級過去問題 2015年1月学科試験 問10

問10

終身保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間などの一定期間における解約返戻金額が低解約返戻金型ではない通常の終身保険に比べて低く抑えられており、通常の終身保険に比べて割安な保険料が設定されている。
  2. 外貨建て終身保険は、円建ての終身保険と異なり、生命保険料控除や死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
  3. 無選択型終身保険は、被保険者の健康状態にかかわらず加入することができるが、契約日から一定期間中に病気で死亡した場合は、既払込保険料相当額が死亡保険金額となる。
  4. 市場価格調整(MVA)がある終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映されるため、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金額は減少し、下落した場合には増加することがある。

正解 2

問題難易度
肢11.4%
肢284.9%
肢35.8%
肢47.9%

解説

  1. 適切。低解約返戻金型終身保険は、解約返戻金の金額を低く設定する期間を設けることで保険料を割安にした保険商品です。保険料払込期間終了後は通常の終身保険と同じ水準の解約返戻金になります。
  2. [不適切]。外貨建て終身保険でも、円建ての保険と同様に生命保険料控除や死亡保険金の非課税金額の規定を受けることはできます。
  3. 適切。無選択型終身保険とは、保険の対象となる人(被保険者)の健康状態を選ばないということで、健康状態の告知が不要で、持病があるなど一般的な保険には加入するのが難しい人も比較的加入しやすい保険です。契約日から一定期間中に死亡した場合は、既払込保険料相当額が死亡保険金額となる特徴があります。
  4. 適切。市場価格調整(Market Value Adjustment)は、保険を中途解約した場合の解約返戻金が市場金利に応じて変動する仕組みのことです。市場価格調整機能を有する保険では、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金が減少し、逆に下落した場合には解約返戻金は増加することになります。これは、市場価格調整の仕組みを持つ保険が一部または全部を債券で運用しており、市場金利が高く(低く)なると債券価格が下がり(上がり)、解約返戻金に充てるための売却価格が下落(上昇)するためです。
したがって不適切な記述は[2]です。