FP1級過去問題 2016年1月学科試験 問37

問37

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 区分所有者が管理者を選任または解任するためには、原則として集会の決議による必要があるが、規約に別段の定めをすることができる。
  2. 管理費が未払いのまま区分所有権の譲渡が行われた場合、管理組合は、売主と買主の双方に対して当該管理費を請求することができる。
  3. 建替え決議を目的とする集会を招集するときは、その集会の招集通知を開催日より少なくとも2カ月前に発しなければならないが、この期間は、規約により短縮することができる。
  4. 管理組合法人には、管理組合法人の財産の状況や理事の業務の執行の状況の監査などを職務とする監事を置かなければならない。

正解 3

問題難易度
肢16.2%
肢215.1%
肢375.0%
肢43.7%

解説

  1. 適切。管理者の選任または解任は集会の決議によることが原則ですが、規約で別段の定めをすることが認められています(区分所有法25条1項)。
  2. 適切。管理費が未払いのまま区分所有権の譲渡が行われた場合、管理組合は、特定承継人である買主に対して滞納されている管理費の弁済を請求することができます(区分所有法8条)。もちろん元の区分所有者に対しても請求することもできます。
  3. [不適切]。建替え決議を行う集会の招集通知は、集会の開催日よりも少なくとも2カ月前に発しなければなりません。この期間は規約で伸長することは可能ですが、短縮することはできません(区分所有法62条4項)。
  4. 適切。管理組合法人には監事を置かなくてはならないとされています。監事の職務は次の通りです(区分所有法50条)。
    1. 管理組合法人の財産の状況を監査すること
    2. 理事の業務の執行の状況を監査すること
    3. 財産の状況または業務の執行について、法令もしくは規約に違反し、または著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすること
    4. 前号の報告をするため必要があるときは、集会を招集すること
したがって不適切な記述は[3]です。