FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問21

問21

オプション取引による一般的なリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 東証株価指数を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数が下落することに対するヘッジとなる。
  2. ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。
  3. キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。
  4. レシーバーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。

正解 3

問題難易度
肢19.5%
肢219.8%
肢360.2%
肢410.5%

解説

  1. 適切。プットオプションは、ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利のことです。
    プットオプションの価値は、対象となる原資産価格が下落すると高くなるので、東証株価指数を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数が下落することに対するヘッジとなります。
    東証株価指数(TOPIX)を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数(TOPIX)が下落することに対するヘッジとなる。2022.5-22-1
    東証株価指数(TOPIX)を原資産とするコール・オプションの購入は、東証株価指数(TOPIX)が下落することに対するヘッジとなる。2019.9-21-1
    東証株価指数(TOPIX)を原資産とするコール・オプションの購入は、TOPIXが下落することに対するヘッジとなる。2015.10-22-1
  2. 適切。ドル・コール/円プットというオプションの購入は、ドル買い・円売りということになるので、ドルの価値が上昇するドル高/円安に対するヘッジになります。
    ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2022.5-22-2
    ドル・プット/円・コールの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2019.9-21-2
    ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。2015.10-22-2
  3. [不適切]。金利低下に対するヘッジは「フロア」の購入です。
    キャップ(cap…帽子)は、対象とする金利があらかじめ設定した上限金利を上回った場合に、キャップの買い手が売り手から超過上昇金利相当額を受け取ることができる金利オプション取引です。金利の上昇に限度を設けることができるので、購入すれば金利上昇に対するヘッジとなります。
    キャップの購入は、対象となる金利が上昇することに対するヘッジとなる。2022.5-22-3
    フロアの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-3
    キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。2015.10-22-3
  4. 適切。レシーバーズ・スワップションとは、オプションの買い手が変動金利を支払って、固定金利を受け取る金利スワップを実行するオプションになるので、金利が低下する局面で金利スワップを実行することができ、金利の低下に対するヘッジになります。
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、固定金利が低下することに対するヘッジとなる。2022.5-22-4
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2019.9-21-4
    ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。2015.10-22-4
したがって不適切な記述は[3]です。