FP1級過去問題 2017年1月学科試験 問19

問19

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 制度信用取引については、制度信用取引を行うことができる銘柄、買方金利・売方金利の利率、品貸料、弁済の繰延期限が証券取引所の規則により定められている。
  2. 制度信用取引を行う場合、貸借銘柄については逆日歩が発生することがあるが、一般信用取引を行う場合、逆日歩が発生することはない。
  3. 新たに制度信用取引を行う場合に、当該信用取引に係る有価証券の約定価額が80万円であるときは、30万円以上の委託保証金が必要となる。
  4. 信用取引に係る委託保証金は、国債や上場株式などの一定の有価証券をもって代用することができる。

正解 1

問題難易度
肢139.9%
肢214.1%
肢338.0%
肢48.0%

解説

  1. [不適切]。制度信用取引は、取引できる銘柄、品貸料や弁済の繰延期限などが証券取引所の規則により定められていますが、買方金利と売方金利の利率は証券会社により異なっています。
    制度信用取引における弁済の繰延期限は、証券取引所の規則により、原則として最長6カ月とされている。2021.5-21-1
    制度信用取引については、制度信用取引を行うことができる銘柄、品貸料、弁済の繰延期限が証券取引所の規則等により定められている。2019.5-21-1
  2. 適切。逆日歩は、信用売りの残高が信用買いの残高を上回り、証券会社が貸し出せる株の不足を補うために機関投資家などから株を借りる際の調達費用として売建した人が支払う費用のことです。そのため、制度信用取引を行う場合は逆日歩が発生することがありますが、一般信用取引を行う場合は逆日歩が発生することはありません。
    制度信用取引を行う場合、貸借銘柄については逆日歩が発生することがあるが、一般信用取引を行う場合、逆日歩が発生することはない。2020.9-21-4
    制度信用取引を行う場合、貸借銘柄については逆日歩が発生することがあるが、一般信用取引を行う場合、逆日歩が発生することはない。2018.1-20-3
    制度信用取引をした場合、制度信用銘柄のうち、貸借銘柄については逆日歩が発生することがあるが、一般信用取引をした場合、逆日歩は発生しない。2015.10-19-2
  3. 適切。信用取引を行う上で委託保証金が必要になりますが、原則、新規建時の預託金の委託保証金率は約定代金の30%以上で、かつ、最低委託保証金が30万円でなければなりません(信用取引及びその保証金に関する内閣府令2条、同3条)。
    「80万円×30%=24万円」ですが、この金額が30万円を下回っているため委託保証金の最低額は30万円となります。
    新たに制度信用取引を行う場合に、当該信用取引に係る有価証券の約定価額が60万円であるときは、30万円以上の委託保証金が必要となる。2021.5-21-2
  4. 適切。委託保証金を差し入れる際、現金ではなく現物の有価証券で代用することができます。代用有価証券として国債を差し入れた場合、当該国債の額面金額95%が、上場株式は時価の80%が評価額となります(信用取引及びその保証金に関する内閣府令6条)。
    制度信用取引において、顧客が預託する委託保証金は、金銭のほか、国債、地方債、上場株式や非上場株式などの有価証券で代用することが認められている。2018.1-20-2
    信用取引において、顧客が預託する委託保証金は、金銭のほか、国債、地方債、上場株式や非上場株式などの有価証券で代用することが認められている。2015.10-19-3
したがって不適切な記述は[1]です。