FP1級過去問題 2017年1月学科試験 問25
問25
居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
- 青色申告者ではない個人事業主が事業専従者である配偶者に支払う給与は、「50万円」と「事業所得の金額を当該事業に係る事業専従者の数に1を加えた数で除して計算した金額」のいずれか低い金額を上限として、支払った年分における事業所得の必要経費に算入することができる。
- 青色申告者である個人事業主が青色事業専従者である長女に支払う退職金は、その額が一般の従業員と同様に退職給与規程に従って算出され、その労務の対価として適正な金額であれば、支払った年分における事業所得の必要経費に算入することができる。
- 個人事業主が生計を一にする父親名義の土地と建物を賃借して事業の用に供している場合、父親に支払う地代や家賃は、その額が社会通念上相当と認められる金額であれば、支払った年分における事業所得の必要経費に算入することができる。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 0(なし)
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正解 4
問題難易度
肢136.6%
肢221.7%
肢32.7%
肢439.0%
肢221.7%
肢32.7%
肢439.0%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:3.各種所得の内容
解説
- 不適切。50万円ではありません。生計を一にする配偶者や15歳以上の親族が白色申告者の事業に専ら従事している場合、白色専従者控除として以下のいずれか低い額を必要経費とすることができます(所得税法57条3項)。配偶者の基準額は86万円です。
- 配偶者は86万円+配偶者以外の1人につき50万円
- 事業所得の金額÷(事業専従者の数+1)
青色申告者ではない個人事業主と生計を一にする子が、当該事業主が営む事業に専ら従事している場合、「86万円」と「事業所得の金額を当該事業に係る事業専従者の数に1を加えた数で除して計算した金額」のいずれか低い金額を、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる。(2025.1-25-3)青色申告者ではない個人事業主と生計を一にする配偶者が当該事業に従事している場合、「86万円」と「事業所得の金額を当該事業に係る事業専従者の数に1を加えた数で除して計算した金額」のいずれか高い金額を、事業所得の計算上、必要経費とみなすことができる。(2022.5-25-a)青色事業専従者である妻に支払う給与は、「86万円」または「事業所得の金額を当該事業に係る事業専従者の数に1を加えた数で除して計算した金額」のいずれか低い金額を必要経費に算入する。(2014.9-25-3) - 不適切。個人事業主が、事業主本人や配偶者その他親族に対して支払う退職金は、労務の対価として適正な金額であったとしても事業所得の必要経費に算入することはできません。青色事業専従者に支払う給与は所定の手続きにより必要経費になりますが、退職金はこの取扱いの対象外です(所得税法56条)。青色申告者である個人事業主が青色事業専従者に支払った退職金は、一般の従業員の退職金について定めた退職給与規程に従って算定されたものであっても、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(2025.1-25-4)青色申告者である個人事業主が青色事業専従者である長女に支払う退職金は、その額が一般の従業員と同様に退職給与規程に従って算出され、その労務の対価として適正な金額であれば、事業所得の必要経費に算入することができる。(2022.5-25-b)青色事業専従者である長女に対して支払う退職金は、その額が一般従業員の退職金規程により算出されたものであれば、その支払う年分の必要経費に算入することができる。(2015.1-25-2)
- 不適切。個人事業主が、生計を一にする親族に対して支払った対価(給料、地代家賃、利子等)は、青色事業専従者給与を除いて必要経費にできないのが原則です(所得税法56条)。青色申告者である個人事業主が生計を一にする父親名義の建物を賃借して事業の用に供している場合において、当該事業主が父親に支払った家賃は、その全額を事業所得の必要経費に算入することができる。(2022.5-25-c)個人事業主が、生計を一にする親族が所有する建物を賃借して事業の用に供している場合、その親族に支払う家賃については、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。(2021.5-25-4)個人事業主が、生計を一にする親族が発行済株式の全部を保有する会社が所有する建物を賃借して事業所得を生ずべき事業の用に供している場合において、当該会社に支払った賃借料は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる。(2020.1-25-4)
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