FP1級過去問題 2017年9月学科試験 問27

問27

居住者であるAさんの2023年分の各種所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとし、▲が付された所得金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
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  1. 35万円
  2. 40万円
  3. 50万円
  4. 80万円

正解 3

問題難易度
肢123.6%
肢217.5%
肢356.0%
肢42.9%

解説

損益通算する際には、控除する所得の順序が定められています。具体的には、①経常所得(事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得)と、②臨時所得(総合譲渡所得、一時所得)、③山林所得、④退職所得に分け、下図のとおりの順序で通算を行います。
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したがって、最初に経常・臨時のグループごとに第1次通算を行います。
①経常グループ
損益通算の計算上、土地等の取得に要した借入金の利子は損益通算の対象外とされているので、不動産所得の損失のうち損益通算が可能額は「180万円-20万円=160万円」です。また、雑所得も損益通算の対象外なので損失は無視して0円として合算します。
よって、経常グループの合計所得は「140万円-160万円+0円=▲20万円」です。
②臨時グループ
一時所得だけが該当するので、臨時グループの合計所得は120万円となります。
次に第二次通算として、臨時グループの120万円から経常グループの▲20万円を差し引きます。

 120万円-20万円=100万円

損益通算後に残ったのは一時所得の100万円のみです。一時所得は総収入金額に算入する際に1/2にするので、総所得金額は、

 100万円×1/2=50万円

したがって[3]が正解です。