FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問15

問15

地震保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 賃貸マンションの所有者が、当該建物を対象とする火災保険に地震保険を付帯して契約した場合、その建物について支払った地震保険料の全額が地震保険料控除の対象となる。
  2. 地震保険の対象であった居住用建物が地震によって全損となり、保険金が支払われて地震保険契約が失効した場合であっても、その年分に支払った地震保険料は地震保険料控除の対象となる。
  3. 店舗併用住宅の所有者が、当該建物を対象とする火災保険に地震保険を付帯して契約した場合、当該建物全体の80%以上を居住の用に供しているときは、その建物について支払った地震保険料の全額が地震保険料控除の対象となる。
  4. 地震保険の保険期間が1年を超える長期契約で、地震保険料を一括で支払った場合、その全額が支払った年分の地震保険料控除の対象となる。

正解 2

問題難易度
肢14.6%
肢284.5%
肢37.1%
肢43.8%

解説

  1. 不適切。地震保険料控除は、自己や生計を一にする親族の所有する居住用家屋等が対象となります。そのため、賃貸マンションの所有者がその建物について支払う地震保険料は地震保険料控除の対象とはなりません。この場合、不動産所得上の必要経費に算入することになります。
    第三者に賃貸している居住用家屋を対象とする地震保険について、居住用家屋の所有者が支払った保険料は、地震保険料控除の対象とならない。2024.1-13-2
    常時居住の用に供していない別荘の所有者が支払った当該別荘を対象とする地震保険の保険料や、第三者に賃貸しているアパートの所有者が支払った当該アパートを対象とする地震保険の保険料は、いずれも地震保険料控除の対象とならない。2019.9-15-1
  2. [適切]。年の途中に居住用建物が地震によって全損となり消滅した場合、保険金が支払われて保険契約は消滅しますが、その年分に支払った地震保険料は地震保険料控除の対象とすることができます。
    地震保険の対象である自己の居住用家屋が地震によって全損し、保険金が支払われて当該地震保険契約が終了した場合であっても、その年に支払った保険料は地震保険料控除の対象となる。2024.1-13-4
    地震保険の対象であった居住用建物が地震によって全損となり、保険金が支払われて地震保険契約が終了した場合、その年分に支払った地震保険料は地震保険料控除の対象とならない。2019.9-15-3
  3. 不適切。地震保険では店舗併用住宅を対象に契約した場合、居住の用に供している部分のみが地震保険料控除の対象となりますが、その家屋の全体のおおむね90%以上を居住の用に供しているときは、その家屋について支払った地震保険料の全額を居住用資産に係る地震保険料として扱うことができるという特例措置があります。本肢は「80%以上」としているので誤りです。
    店舗併用住宅を対象として地震保険を契約した場合、その家屋の全体のおおむね90%以上を居住の用に供しているときは、その家屋について支払った地震保険料の全額を居住用資産に係る地震保険料として扱うことができる。2020.9-14-4
    2023年10月に契約する店舗併用住宅建物の火災保険に地震保険を付帯する場合、建物全体の2分の1以上が居住用であるときには、その建物について支払う地震保険料の全額を居住用資産に係る地震保険料の金額とすることができる。2014.9-14-c
  4. 不適切。複数年分の地震保険料を一括で支払った場合は、「一括払保険料÷保険期間(年)」の計算式で1年分に換算した額が毎年の地震保険料控除の対象となります。
    保険期間が2024年1月1日から2年間である地震保険の保険料を一括で支払った場合、支払った保険料の全額を2024年分の地震保険料控除の対象とすることはできない。2024.1-13-3
    2023年4月に居住用建物を対象として保険期間5年の地震保険を契約し、その地震保険料を同年中に一括して支払った場合、支払った地震保険料の全額が2023年分の所得税および2024年度分の住民税における地震保険料控除の対象となる。2020.9-14-3
    保険期間が2023年7月1日から2年間である地震保険の保険料を一括で支払った場合、支払った地震保険料の4分の1相当額が2023年分の所得税における地震保険料控除の対象となる。2019.9-15-2
したがって適切な記述は[2]です。