FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問14

問14

各種賠償責任保険の一般的な補償内容に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとし、特約の付帯はないものとする。
  1. 生産物賠償責任保険(PL保険)の被保険者である看板業者が、看板の取付け工事中に誤って工具を落とし、通行人を負傷させた場合に、通行人に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害は、同保険の補償の対象となる。
  2. 受託者賠償責任保険の被保険者である宿泊業者が、クロークで顧客から預かって保管していた荷物が盗難に遭った場合に、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害は、同保険の補償の対象となる。
  3. 施設所有(管理)者賠償責任保険の被保険者である飲食店が、自転車で商品配達中に誤って通行人に衝突して負傷させた場合に、通行人に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害は、同保険の補償の対象となる。
  4. 自動車管理者賠償責任保険の被保険者である自動車整備工場が、整備工場内で火災が発生し、顧客から預かった自動車を損傷させた場合に、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負担することによって生じた損害は、同保険の補償の対象となる。

正解 1

問題難易度
肢163.6%
肢26.6%
肢321.0%
肢48.8%

解説

  1. [不適切]。生産物賠償責任保険(PL保険)は、被保険者が製造・販売した商品が、他人の身体や財物に危害・損害を与えた場合に被保険者が負担する法律上の賠償責任を補償する保険です。したがって、作業により生じた損害は補償対象外です。本肢のように請負作業中の事故をカバーするのは請負業者賠償責任保険です。
  2. 適切。受託者賠償責任保険は、他人から預かった物を保管中に誤って破壊や紛失、火災、盗難などにより、その受諾物を元通りに返せなくなった場合に負う賠償責任を補償する保険です。本肢のように、顧客から預かって保管していた荷物が盗難に遭った場合に被る損害も補償されます。
  3. 適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の所有・使用・管理や業務遂行によって生じた事故によって、第三者の身体等に危害を加えたり財物に損害を与えた場合に法律上の賠償責任を補償する保険です。本肢のように、業務遂行中に生じた事故の損害も補償されます。
  4. 適切。自動車管理者賠償責任保険は、預かった自動車を火災や不注意により損壊したり、盗難などにより元通りに返せなくなったりした場合に負う賠償責任を補償する保険です。本肢のように、整備工場内で火災が発生し顧客から預かった自動車を損傷させた場合に負う損害も補償されます。
したがって不適切な記述は[1]です。