FP1級過去問題 2018年1月学科試験 問29

問29

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 年間5万円までの寄附が本制度の対象となるため、同一年中に自治体に対して合計5万円を超える寄附を行った者は、本制度の適用を受けることができない。
  2. 給与所得者のうち、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けている者は、本制度の適用を受けることができない。
  3. 本制度の適用を受けるためには、自治体に対して行う寄附ごとに、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する必要がある。
  4. 本制度の適用を受けた場合、確定申告をすることなく、所得税における寄附金控除の適用を受けることができ、寄附を行った年分の所得税の還付を受けることができる。

正解 3

問題難易度
肢13.5%
肢24.1%
肢372.6%
肢419.8%

解説

  1. 不適切。本制度の適用要件のひとつに、同一年中のふるさと納税先の自治体数が5団体以下という条件がありますが、寄附金の合計金額に特別な条件はありません。
  2. 不適切。本制度は、確定申告が必須である住宅借入金等特別控除の適用1年目に行ったふるさと納税については適用を受けることができないという制限があります。どうせ確定申告するだからそちらでまとめて申告してくださいということなのでしょう。しかし、年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受ける年については、本制度の適用を受けることができます。
    給与所得者のうち、その年中に支払を受けるべき給与等の収入金額が2,000万円を超える者は、本制度の適用を受けることができない。2016.1-29-2
  3. [適切]。本制度の適用を受けるためには、寄附を行った自治体に対して、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とマイナンバーカードや運転免許証などの必要書類を寄附ごとに提出する必要があります。
    本制度の適用を受けるためには、ふるさと納税をする際に、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附者本人の住所地の市町村または特別区に提出しなければならない。2016.1-29-3
  4. 不適切。本制度を利用した場合の控除は、全額が翌年の住民税から行われます。確定申告をしたときのように所得税の還付を受けられるわけではありません。
    本制度の適用を受けた場合、確定申告をすることなく、寄附を行った年分の所得税の還付と翌年度分の個人住民税の減額を受けることができる。2016.1-29-4
したがって適切な記述は[3]です。