FP1級過去問題 2018年9月学科試験 問18

問18

投資信託のディスクロージャーに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 交付目論見書には、投資者が直接的または間接的に負担することとなる購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)について、その金額または料率に関する事項に加え、当該手数料等を対価とする役務の内容を記載することが義務付けられている。
  2. 交付運用報告書は、日々決算型投資信託を除き、投資信託の決算期ごとに作成し、投資者に交付することが義務付けられている。
  3. 交付運用報告書は、運用状況に関する重要な事項を記載したもので、書面による交付が原則であるが、個別の投資者の同意がある場合には電磁的方法による提供も認められる。
  4. 販売会社は、原則として、投資者が平成26年12月1日以後新たに買い付けた一定の投資信託について、投資者に対し、トータルリターンを年1回以上通知することが義務付けられている。

正解 2

問題難易度
肢117.6%
肢256.6%
肢313.4%
肢412.4%

解説

  1. 適切。交付目論見書には、ファンドの目的・特色、投資のリスク、運用実績、手続・手数料等が記載されています。目論見書の様式では、信託報酬および申込手数料、解約手数料その他の手数料について、手数料の金額又は料率、徴収方法及び徴収時期並びに当該手数料を対価とする役務の内容を記載することとされています(特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第25号の2様式、第4号様式)。
    交付目論見書は、投資者が直接的または間接的に負担することとなる費用について、購入時手数料の上限金額または上限料率、運用管理費用(信託報酬)の金額または料率に関する事項に加え、当該費用を対価とする役務の内容等を記載しなければならない。2023.1-17-1
  2. [不適切]。交付運用報告書は、決算期ごとに作成し、投資者に交付しなければならないのが原則です(投信法規則25条の3)。しかし、毎月決算型のように計算期間が6カ月未満の投資信託は6月ごと、日々決算型投資信託のうち所定の要件を満たすものは1年ごとの作成交付でOKとされています(投信計算規則59条)。運用報告書(全体版)も同じです。
    交付運用報告書は、日々決算型投資信託を除き、投資信託の決算期ごとに作成し、投資家に交付しなければならない。2023.1-17-2
  3. 適切。運用報告書は2段階に分かれています。
    運用報告書(全体版)
    本来の運用報告書
    交付運用報告書
    期間中の運用経過や今後の運用方針など、運用報告書(全体版)のうち重要なものを記載した書面
    交付運用報告書は書面交付が原則ですが、投資者の個別の同意がある場合には電磁的記録により提供することが可能です(投信法14条5項)。
  4. 適切。2014年12月からトータルリターン通知制度が開始され、販売会社は投資者に対して、投資信託のトータルリターンを原則として年1回以上通知することが義務付けられています。
    販売会社は、投資信託の投資者に対し、原則として、トータルリターンを6カ月ごとに通知することが義務付けられている。2020.9-18-4
したがって不適切な記述は[2]です。