FP1級過去問題 2018年9月学科試験 問19

問19

以下の表に記載されている割引債券の1年複利計算による最終利回り(空欄①)と固定利付債券の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
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  1. ① 0.71  ② 0.60
  2. ① 0.71  ② 0.62
  3. ① 0.73  ② 0.60
  4. ① 0.73  ② 0.62

正解 4

問題難易度
肢19.4%
肢220.9%
肢38.2%
肢461.5%

解説

〔①について〕
割引債とは利子が支払われない代わりに、額面金額から一定額を割り引いた金額が発行価格となるもので、その現在価値は、将来価値(額面100円)に複利現価率を乗じたものとなります。つまり、購入単価、償還価格(100円)、利回り(r)、残存年数の間には次の関係が成り立ちます。

 購入単価×(1+r)残存年数=100円

割引債の穴埋め問題では、取得単価を求める問題と最終利回りを求める問題がありますが、どちらも上記の式で対応可能です。本問では残存期間4年の最終利回り(r)を求めたいので、

 97.15×(1+r)4=100
 (1+r)4=100÷97.15
 (1+r)4=1.029333…
(4乗根を求めたいので電卓の√を2回押して)
 1+r=1.007254…
 r=0.007254=0.7254…%
(小数点以下第3位を四捨五入)0.73%

※割引債券については電卓の√2回押しで対応できる4年しか出題されませんが、もし3年とか5年で問われたら、選択肢の利回りで「購入単価×(1+r)残存年数」を計算してどちらが100円に近いかで正解を判別するしかありません。

〔②について〕
固定利付債券の利回りは次の式で求めます。
19_1.png./image-size:436×86
表の値を式に代入すると、

 0.85+(100-100.45)/2100.45×100
0.85+(-0.225)100.45×100
0.625100.45×100=0.62220…%
(小数点以下第3位を四捨五入)0.62%

したがって[4]の組合せが正解です。