FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問21

問21

株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 制度信用取引については、制度信用取引を行うことができる銘柄、品貸料、弁済の繰延期限が証券取引所の規則等により定められている。
  2. 委託保証金率が30%である場合に、30万円の委託保証金を金銭で差し入れているときは、約定金額100万円まで新規建てすることができる。
  3. 委託保証金代用有価証券として国債を差し入れた場合、当該国債の額面金額の金銭を差し入れたものと同等に取り扱われる。
  4. 証券会社において、株式の信用取引に係る委託保証金および委託保証金代用有価証券は分別管理の対象とされ、投資者保護基金の補償対象にも含まれる。

正解 3

問題難易度
肢17.9%
肢29.4%
肢368.1%
肢414.6%

解説

  1. 適切。信用取引には、制度信用取引と一般信用取引の2種類があります。制度信用取引は、証券取引所の規則等により取引を行うことができる銘柄、品貸料、弁済の繰延期限が定められていますが、一般信用取引は投資家と証券会社が直接契約を結ぶため、証券会社が自由に決めることができます。
  2. 適切。委託保証金率とは、約定可能代金に委託保証金の対する割合のため、委託保証金が30万円で委託保証金率が30%の場合、約定代金の上限は「30万円÷30%=100万円」となります。なお、委託保証金率は約定代金の30%以上、委託保証金は30万円以上と決められています。
  3. [不適切]。委託保証金を差し入れる場合、現金ではなく現物の有価証券で代用することができます。代用有価証券として国債を差し入れた場合、価格変動リスクがあるため、当該国債の額面金額95%が実際の評価額となります。なお、上場株式は時価の80%が評価額となります(信用取引及びその保証金に関する内閣府令6条)。
  4. 適切。投資者の資産(委託保証金・委託保証金・代用有価証券)と証券会社の自己資産は分別管理により保全されています。投資者の資産は投資者保護基金の補償対象に含まれます。
したがって不適切な記述は[3]です。