FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問50

問50

2018年7月6日に成立し、同月13日に公布された「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(改正相続法)の改正事項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 被相続人の配偶者は、相続開始時に被相続人が所有する建物に無償で居住していた場合は、原則として、相続開始時から最低6カ月間、引き続き無償でその建物を使用することができる権利を取得する。
  2. 自筆証書遺言の方式が緩和され、その遺言の全文をパソコンで作成しても、日付および氏名を自書して押印すれば、適法な自筆証書遺言とされる。
  3. 各共同相続人は、被相続人の預貯金債権について、家庭裁判所の判断を経ず、かつ、他の共同相続人の同意がなくても、債務者に対して各口座ごとに当該共同相続人の法定相続分相当額の払戻しを遺産分割前に単独で請求することができる。
  4. 被相続人の親族で相続人でない者が、被相続人に対して無償で療養看護等を行った事実がある場合に、当該親族から請求があったときは、共同相続人は遺産分割協議に当該親族を参加させる必要がある。

正解 1

問題難易度
肢164.2%
肢214.4%
肢39.9%
肢411.5%

解説

  1. [適切]。被相続人の配偶者が、相続開始時に被相続人が所有する建物に無償で居住していた場合、「相続開始日から6カ月後」または「遺産分割でその建物の帰属が確定した日」のいずれか遅い日まで、引き続きその住宅に無償で住み続けることができるようになりました。遺産分割により建物の所有者が変わって転居を余儀なくされる場合でも、居住利益を一定期間保護するという主旨で創設された制度です。
    配偶者短期居住権を取得することができる配偶者は、相続開始時において、被相続人が所有していた建物に無償で居住し、かつ、被相続人との婚姻期間が20年以上である者とされている。2024.5-45-3
    配偶者短期居住権を取得することができる配偶者は、相続開始時において、被相続人が所有していた建物に無償で居住し、かつ、被相続人との婚姻期間が20年以上である者とされている。2020.9-50-3
  2. 不適切。自筆証書遺言の要件が緩和され、遺言に添付する財産目録についてのみパソコンや通帳の写しで作成できるようになりました。遺言本文についてはこれまでと同様に本人が自書する必要があります。
  3. 不適切。預貯金払戻し制度は、民法改正に伴い2019年7月に創設された制度です。各相続人は、遺産分割前であっても、被相続人名義の口座から「預貯金の額×1/3×法定相続分」までを、単独で払戻し可能となりました。ただし、同一金融機関からの払戻しは150万円が限度です。本肢は「3分の1」が抜けているので誤りです。
  4. 不適切。民法改正に伴い特別寄与分の制度が創設されました。被相続人の親族で相続人でない者(例えば子の妻)が、被相続人に対して無償で療養看護等を行った事実がある場合には、相続人に対して、その寄与に応じた金銭を特別寄与料として請求できるようになりました。特別寄与者を遺産分割協議に参加させる義務ができたわけではありません。
したがって適切な記述は[1]です。