FP1級過去問題 2019年9月学科試験 問2

問2

全国健康保険協会管掌健康保険の保険給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 健康保険の被保険者が業務外の事由による負傷または疾病の療養のために労務に服することができず、その期間が4日以上継続したとしても、当該期間において事業主から報酬を受けている場合は、傷病手当金が支給されることはない。
  2. 健康保険の被保険者が傷病手当金と出産手当金の支給要件をいずれも満たした場合、傷病手当金が優先して支給され、傷病手当金の額が出産手当金の額よりも少ないときは、その差額が出産手当金として支給される。
  3. 出産育児一時金について、保険者が医療機関等に直接支払う直接支払制度を利用する場合、被保険者は、出産予定日の2カ月前以降に保険者に対して事前申請を行う必要がある。
  4. 出産手当金の支給を受けている者が退職し、国民健康保険の被保険者となった場合、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、退職後も出産手当金の支給を受けることができる。

正解 4

問題難易度
肢18.4%
肢212.0%
肢39.0%
肢470.6%

解説

  1. 不適切。傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のために業務外の事由による病気やケガの療養のために仕事に就くことができず、連続して3日間会社を休んだとき、4日目以降の賃金支払いのない日について支給されます。
    事業主から受けた報酬が傷病手当金の金額以上である場合には支給されませんが、報酬額が傷病手当金の金額未満である場合には、その差額が支給されます(健保法108条1項)。
  2. 不適切。健康保険の被保険者が傷病手当金と出産手当金の支給要件をいずれも満たした場合、出産手当金が優先して支給され、出産手当金の額が傷病手当金の額よりも少ないときには、その差額が傷病手当金として支給されます。記述は逆になっています(健保法103条1項)。
    健康保険の被保険者が傷病手当金と出産手当金の支給要件をいずれも満たした場合、傷病手当金が優先して支給され、傷病手当金の額が出産手当金の額よりも少ないときは、その差額が出産手当金として支給される。2022.9-2-2
  3. 不適切。出産育児一時金の直接支払制度とは、出産前に被保険者等と医療機関等が出産育児一時金の支給申請及び受取りに係る契約を結び、医療機関等が被保険者等に代わって保険者に出産育児一時金の申請を行うことで、出産育児一時金の支給が保険者から直接医療機関等へ支払われる制度です。
    直接支払制度では、医療機関等が被保険者等に代わって出産育児一時金の申請を行うので被保険者が保険者に申請する必要はありません。なお、出産費用が出産育児一時金の額(原則50万円)より少ない場合、その差額は申請により被保険者等に支給されます。
  4. [適切]。出産手当金は、産休で会社を休んだ場合に、出産日以前42日(多胎妊娠の場合98日)、出産後56日の範囲で健康保険から支給される給付金です(健保法102条)。出産手当金を受給中の人が退職したとき、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があったときは、継続給付として退職後も出産手当金の支給を受けることができます(健保法104条)。
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    出産手当金の支給を受けている健康保険の被保険者が退職した場合、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、退職後も出産手当金の支給を受けることができる。2022.9-2-4
したがって適切な記述は[4]です。