FP1級過去問題 2019年9月学科試験 問47

問47

Aさんは、父から建物の敷地となっている下記のX土地、Y土地(借地権)、Z土地を相続により取得した。X土地、Y土地(借地権)、Z土地の相続税評価額の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。
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  1. 7,760万円
  2. 8,300万円
  3. 9,100万円
  4. 9,760万円

正解 2

問題難易度
肢114.3%
肢248.6%
肢328.6%
肢48.5%

解説

【X土地】
個人間の土地の使用貸借で金銭のやり取りがある場合でも、権利金の授受がなく、その金銭が金額が借り受ける土地の固定資産税等相当額以下の額にすぎないときは使用貸借に該当します。
被相続人との間で使用貸借していた土地を相続した場合、建物が自宅であるか賃貸物件であるかにかかわらず原則として自用地として評価します。よって、X土地の相続税評価額は3,000万円です。

【Y土地】
「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」とは、借地権者以外が借地の所有権(底地)を買い取った際に、贈与税の課税を免れるために提出する書類です。
例えば、親が地主から賃借している土地を子が買い取るケースでは、土地の購入後、親から子に地代が支払われないケースがあります。このように、新たな土地所有者に対して地代が支払われない場合には、子が土地を買い取ったときに借地権が親から子に贈与されたとみなされ、贈与税の課税対象となります。「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を提出していれば、引き続き借地権者は親であるとして贈与として取り扱わないことになっています。

Aさんは、Aさんの父の借地権が設定されているZ土地の所有権(底地)を買い取り、Aさんの父から地代を収受していないので、正にこのケースに該当します。この場合、土地の買い取り後も以前として借地権はAさんの父にあります。

Aさんの父は借地上に賃貸物件を建築して貸付を行っていたので、相続したその借地権は貸家建付借地権等として評価します。
この式に設問の値を代入して相続税評価額を求めます。

 5,000万円×60%×(1-30%×100%)
=3,000万円×0.7
=2,100万円

よって、Y土地の相続税評価額は2,100万円です。

【Z土地】
少なくとも一方が法人である土地の賃貸借では、地主・借地人の連名で「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出することで、権利金の認定課税を避けることができます。「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合、その土地の相続税評価は以下のように計算します。
Aさんの父親は通常の地代をもらって(賃貸借契約で)B株式会社にZ土地を貸しているのですから、「自用地価額×80%」で評価します。

 4,000万円×80%=3,200万円

よって、Z土地の相続税評価額は3,200万円です。

【相続税評価額の合計額】
3つの土地の評価額を合計して、

 3,000万円+2,100万円+3,200万円=8,300万円

したがって[2]が正解です。