FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問18

問18

地方債に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 全国型市場公募地方債(個別債)は、すべての都道府県と一部の政令指定都市が単独で発行している債券であり、購入者に制限はなく、投資家は取扱金融機関を通じて購入することができる。
  2. 共同発行市場公募地方債は、複数の地方公共団体が共同して発行する10年満期の債券であり、毎年4月に年1回発行されている。
  3. 共同発行市場公募地方債は、実際に資金調達する地方公共団体は銘柄ごとに異なるが、資金調達の有無にかかわらず、共同して発行する全団体が発行額全額について連帯して当該地方債の償還および利息の支払の責任を負う。
  4. 住民参加型市場公募地方債は、当該債券を発行する地方公共団体に居住している個人に購入者が限定された債券であり、当該地方公共団体で開催されるイベントの招待券や施設利用券などの特典が付与されたものもある。

正解 3

問題難易度
肢19.1%
肢28.9%
肢362.4%
肢419.6%

解説

  1. 不適切。全国型市場公募地方債とは、地方公共団体が、銀行や証券会社等を引受会社として全国的に幅広い投資家を対象として発行する地方債です。すべての都道府県ではなく、全国で36都道府県、20政令指定都市が発行しています。
    全国型市場公募地方債は、全国の投資家を対象としてすべての都道府県と一部の政令指定都市が発行している債券であり、投資家は取扱金融機関を通じて購入することができる。2017.1-18-1
  2. 不適切。共同発行市場公募地方債は、複数の地方公共団体が共同して発行する10年満期の債券で、各団体は発行額全額について連帯債務を負い、毎月発行されています。
    共同発行市場公募地方債は、複数の地方公共団体が共同して発行する債券であり、各団体が発行額全額について連帯債務を負う方式により毎月発行されている。2017.1-18-2
  3. [適切]。共同発行市場公募地方債は、資金調達の有無にかかわらず、各団体は発行額全額について連帯債務を負います。
  4. 不適切。住民参加型市場公募地方債とは、地方公共団体が主に地域住民を対象に発行する債券のことで、イベント招待券や施設利用券などの特典が付くケースもありますが、居住者限定ではなく誰でも購入が可能となっています。
したがって適切な記述は[3]です。