FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問22

問22

行動ファイナンスの基礎となる意思決定理論に関する一般的な次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 投資家は、利益が出ている局面ではリスク回避的になるのに対し、損失が出ている局面ではリスク追求的になる反転効果の傾向があるとされている。
  2. 投資家は、ある選択をしたことによって実際に支出した費用に比べて、他の選択をしていれば得られたであろう利益(機会費用)を軽く捉える傾向があるとされている。
  3. 投資家は、ある選択をする場合、これから支出する費用と得られる便益を考慮し、選択前に既に支払っていた費用はその選択には影響を及ぼさない傾向があるとされている。
  4. 投資家は、価値を判断するにあたって、価値の絶対的な水準よりも利益と損失の判断を分ける基準点からの変化の大きさによって価値を決定する傾向があるとされている。

正解 3

問題難易度
肢116.1%
肢216.4%
肢358.1%
肢49.4%

解説

  1. 適切。行動ファイナンスでは、投資家は、利益が出ている局面ではできるだけ確実な利益を得られるような選択肢を選ぶリスク回避的行動を取るのに対し、損失が出ている局面では(損失を取り戻そうとして)より損失が出るリスクを負ってでも利益を得ようとするリスク追求的になる傾向(反転効果)があるとされます。
  2. 適切。機会費用とは、他のことをすれば得られたであろう最大の利益のことをいい、行動ファイナンスでは、投資家は、ある選択による実際の支出費用に比べて、別の選択により得られたであろう利益(機会費用)を軽く捉える傾向があるとされています。
  3. [不適切]。行動ファイナンスでは、ある選択をする場合、これからの支出と利益を考慮した上で、既に支払い済みの費用(サンクコスト・埋没費用)がその後の選択に影響してしまう傾向があるとされています。既に投下したコストが無駄になってしまうのを避けるために、現在の状況を正当化したり過去の意思決定に執着したりといった例があります。
  4. 適切。行動ファイナンスでは、価値を判断する際、価値の絶対的な水準よりも利益と損失の判断を分ける基準点からの変化の大きさによって、投資家それぞれの基準で価値を決定する傾向があるとされています。
したがって不適切な記述は[3]です。