FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問49

問49

財産評価基本通達上の取引相場のない株式の評価における会社規模の判定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 直前期末以前1年間における従業員数が70人以上の評価会社は、評価会社の総資産価額および取引金額の多寡にかかわらず、大会社となる。
  2. 就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間未満である従業員は、会社規模の判定上、直前期末以前1年間における従業員数に反映されない。
  3. 会社規模の判定上、総資産価額は、直前期末における評価会社が有する各資産の相続税評価額の合計額とされる。
  4. 会社規模の判定上、直前期末以前1年間における取引金額は、その期間における評価会社の目的とする事業に係る利益金額とされる。

正解 1

問題難易度
肢168.3%
肢28.9%
肢312.7%
肢410.1%

解説

  1. [適切]。会社規模により区分を行い、それぞれの区分に従った評価方式により評価を行うこととなりますが、従業員が70人以上の場合、例外なく大会社に該当します(財評通178)。
    直前期末以前1年間における従業員数が70人以上の評価会社は、評価会社の総資産価額および取引金額の多寡にかかわらず、大会社となる。2024.9-48-1
  2. 不適切。週30時間未満の社員も時間数に応じて人数に反映されます。従業員数の判定では、直前期末以前1年間を通じて継続して勤務していた従業員で、かつ、就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間以上である従業員を1人としてカウントします。それ以外の従業員については、それ以外の従業員全員の1年間の勤務時間を合計し、それを1,800で除して求めた数を人数としてカウントします(財評通178(2))。
    就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間未満である従業員は、会社規模の判定上、直前期末以前1年間における従業員数に反映されない。2024.9-48-2
  3. 不適切。相続税評価額の合計額ではありません。会社規模の判定する時の総資産価額は、評価時期の直前期末における会社の各資産の帳簿価額の合計額を使用します(財評通178(1))。
  4. 不適切。利益金額ではありません。会社規模の判定する時の取引金額は、評価時の直前期末以前1年間における事業に係る収入、すなわち売上高を使用します(財評通178(3))。
したがって適切な記述は[1]です。