FP1級過去問題 2020年9月学科試験 問20

問20

以下の表に記載されている割引債券の1年複利計算による最終利回り(空欄①)と固定利付債券の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
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  1. ① 0.61  ② 0.50
  2. ① 0.61  ② 1.00
  3. ① 1.22  ② 0.50
  4. ① 1.22  ② 1.00

正解 1

問題難易度
肢170.7%
肢213.6%
肢312.2%
肢43.5%

解説

〔①について〕
割引債とは利子が支払われない代わりに、額面金額から一定額を割り引いた金額が発行価格となるもので、その現在価値は、将来価値(額面100円)に複利現価率を乗じたものとなります。つまり、購入単価、償還価格(100円)、利回り(r)、残存年数の間には次の関係が成り立ちます。

 購入単価×(1+r)残存年数=100円

割引債の穴埋め問題では、取得単価を求める問題と最終利回りを求める問題がありますが、どちらも上記の式で対応可能です。本問では残存期間4年の最終利回り(r)を求めたいので、

 97.60×(1+r)4=100
 (1+r)4=100÷97.60
 (1+r)4=1.024590…
(4乗根を求めたいので電卓の√を2回押して)
 1+r=1.006091…
 r=0.006091=0.6091…%
(小数点以下第3位を四捨五入)0.61%

※割引債券については電卓の2回押しで対応できる4年しか出題されませんが、もし3年とか5年で問われたら、選択肢の利回りで「購入単価×(1+r)残存年数」を計算してどちらが100円に近いかで正解を判別するしかありません。

〔②について〕
固定利付債券の利回りは次の式で求めます。
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表の値を式に代入すると、

 0.75+(100-100.50)/2100.50×100
0.75+(-0.25)100.50×100
0.5100.50×100=0.49751…%
(小数点以下第3位を四捨五入)0.50%

したがって[1]の組合せが正解です。